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人間は「分人化」しないと精神がもたなくなる

作家・平野啓一郎氏が「確実に来る未来」を語る

2011年10月4日(火)

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 日経ビジネス10月3日号特集「確実に来る未来100」では、人口、財政、産業競争力の観点から、日本や日本を取り巻く世界の未来を、マクロ経済指標などを基に予測した。

 これに関連し、2036年を舞台にした近未来小説『ドーン』(講談社、2009年)を執筆した作家の平野啓一郎氏に、国家や共同体、個人の関係とその未来について、聞いた。

(聞き手は北爪匡=日経ビジネス記者)

―― 直近の社会情勢の変化をどうとらえていますか。

平野啓一郎氏は「2010年代は震災とともに生きる」と語る(写真:新関雅士、以下同)

平野:今回の東日本大震災のように突然、未来が変わってしまうこともありますから、あまり長い先のことは分からない部分もあります。ただ、日本にとって2010年代は、震災とともに生きていくしかないと思います。

 津波後の宮城県や岩手県の再建については時計の針の進めようがあるかもしれませんが、福島県の原発事故は終わらせ方が分からなくなっている部分があって、そうもいかないでしょう。大きな世界の流れとは別に、日本は震災後をどうしていくかという問題が非常に大きいと思います。

 1つ言えるのは、2000年代はインターネットの時代で、人間は擬似的に距離と時間をかなり越えることができるようになった。それが今回の震災でフィジカルな方へと人間の関心が引っ張られています。どこからどこまで歩いて帰れるのか、人が怪我をしたり亡くなったり、物がなくなったりと、物理的な関心が高まっている。そこが2000年代から2010年代への一番大きな変化でしょうね。

国家がなくなっても、「ユートピア」はない

―― そうした変化の中、現在の社会が抱える問題とは何でしょう。

平野:僕が一番、恐れているのは、国家権力の弱体化です。これは日本に限らず、2010年代に世界的に非常に大きな問題になっていくと思います。国家がなくなったらどうなるかという時に、かつてのような「ユートピア」のイメージはもはやありません。ソマリアのような状況になり、弱者が一番悲惨な目に遭います。問題の量が国家の処理能力を超えているのでしょう。

 一方で、問題を処理しなくてはいけないレイヤー(階層)が大きく変化してきています。これはポストモダンの頃から言われてきた話ですが、「大きな物語」が「小さな物語」になって、インターネットの時代になることで、情報の発信者と受け手も細分化が進んでいます。この流れは今後も変わらないと思います。

 インターナショナルな問題として国家権力を超えるものも出てきているわけですし、レイヤーごとに国家にできること、民間でできること、そして個人でできることを選択しないといけないでしょう。結局、国家の構成要素も人です。人間の1日はどんなに頑張っても24時間しかない。オバマ大統領がどれほど優秀な人でも、リンカーンの時代とは問題の量が違います。

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