脱炭素時代の実現と同時に脱原発時代の実現のために新エネルギーの普及が期待されている。その切り札として再生可能エネルギー全量買取法(FiT法)が8月26日に成立した。
これまでもさまざまなエネルギー改革制度が導入され、枠組みだけは欧米に近づいていた。新エネルギー導入先進国の国際比較研究から、固定価格全量買取制度(FiT、新エネルギーによる電力を電力会社が一定期間固定価格で全量を買取る制度)がもっとも有効と言われてきたので、新エネルギー推進派には悲願とも言える法律が成立したわけだ。
FiT導入は地球温暖化ガス25%削減(2020年目標)を国際公約した民主党政権の既定路線だったが、菅前首相退陣の花道としてスケジュールが早まった。
しかし、現時点で最も発電単価の高い太陽光発電が優遇される一方で、最も安価な廃棄物発電はFiTの対象から除外された。
原発事故とFiT導入を契機として日本のエネルギー政策がどう変わるか、その問題点とこれからの方向性を考えてみたい。
なぜ、廃棄物発電はFiTから除外されたか
現時点でもっとも安価な非化石燃料発電は廃棄物発電である。発電しなくても焼却炉は必要なため、イニシャルコストは熱交換器や発電機などの追加設備だけですむ。燃料は無料であり、逆に処理費をもらえる場合もあり、ランニングコストがほとんどかからない。
それにもかかわらず廃棄物発電がFiTから除外された表向きの理由は、迷惑施設である焼却炉が乱立することを避けたいからということだが、環境省も経済産業省も廃棄物発電や廃棄物燃料化をサーマルリサイクル(熱源再利用)として推奨してきた。
現在、廃棄物発電の能力は一般廃棄物焼却炉167万キロワット、産業廃棄物焼却炉64万キロワット、合計231万キロワットである。これは原発約2基半に相当し、太陽光発電(263万キロワット)や風力発電(219万キロワット)に匹敵する実力である。
一般廃棄物焼却炉の発電能力が高いのは、自治体が清掃工場を建設する際に、熱回収率10%以上の発電設備を併設すれば補助金を得られるからであり、発電施設の平均熱回収率は11%となっている。
これに対して民間企業が設置する産業廃棄物焼却炉で補助金を得るには、熱回収率23%以上(施設規模により15.5%以上〜25%以上)という技術的限界に近い基準が設定されている。さらに自治体と違って電力会社から余剰電力の買取を拒否されることが多いため、多くの施設で自家消費用の小型発電設備に甘んじている。この差は歴然で、発電設備のついた産業廃棄物焼却炉の熱回収率は平均3%である。
既存の廃棄物発電に500万キロワット以上の潜在的能力
しかし逆に言うと産廃用焼却炉の発電余力は大きい。代表的な最新式の100トン級キルン・ストーカー炉の場合、熱回収率15%で5000キロワットの発電が可能だが、自家消費用に限定すると500キロワット程度の出力に抑制されてしまう。利用可能なエネルギーがムダに捨てられているのである。大型炉ほどムダは大きく、廃棄物を燃料として大量に焼却しているセメント焼成炉の熱回収率はわずか平均0.6%にすぎない。
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