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マネー逆流、新興国に新たな危機

  • 松村 伸二,北爪 匡

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2011年10月13日(木)

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欧州の財政危機と米国の景気減速懸念が強まり、投資マネーが逆流し始めた。資源価格とともに新興国の通貨や株式が急落に転じ、為替・金融政策も混乱を見せる。1997年のアジア通貨危機当時と違い、先進国には手を差し伸べる余裕もない。

 世界の投資マネーが逆流し始めた。

 最高値圏での推移を謳歌していた金相場が急落に転じると、異変は証券・金融市場に連鎖。ブラジルレアルやオーストラリアドルなど、資源価格と連動して上昇していた新興国の通貨や株式も売られた。

 ブラジルレアルは8月末に1ドル=1.6レアル近辺の高値圏にあったが、9月に入り下げ足を強め、一時は1.95レアル近辺まで約2割も急落。豪ドルもこの1カ月間で約1割、下落した。

1997年のアジア危機を連想

 きっかけは、ギリシャの財政危機を抱える欧州の金融不安だ。米国でも景気減速懸念が拡大し、「グローバルリセッション(世界的な景気後退)」に対する警戒感が台頭。2008年9月のリーマンショックや、1997年のアジア通貨危機の再来をも連想する不安心理が世界の金融資本市場に渦巻いている。

 97年当時、タイなど多くのアジア通貨は米ドルとの固定相場制を採用していた。米国の「強いドル政策」の下、アジア通貨が連動して上昇すると、それまで景気を支えていた輸出力にほころびが見え始めた。この隙を突いて、ジョージ・ソロス氏率いるクォンタム・ファンドを中心にヘッジファンドがアジア通貨売りを仕掛けた。

 アジアの危機は翌98年にロシアの「ルーブル危機」へと波及。世界の投資家の損失は雪だるまのように膨らみ、当時の巨大ヘッジファンド、ロング・ターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)は破綻に追い込まれた。

 今回の相場急落に当時の危機を重ね合わせたヘッジファンドなど世界の投資家は、投資リスクそのものをなくす「リスクオフ」の姿勢を強めている。

 その動きは急だ。ヘッジファンド大手の英マン・グループが発表した9月末の運用資産の残高見込み額は6月末に比べ8.5%少ない650億ドルに急減。翌日、同社の株価は25%も急落した。

 米ヘッジファンド・リサーチによると、世界のヘッジファンドの資産残高は6月末で2兆446億ドル。マン・グループが失った比率を単純に当てはめれば、7~9月期に約1700億ドル(76円換算で約13兆円)の投資資金が吹き飛んだ計算になるわけだ。

ブラジル、韓国が通貨買い支え

 こうした投資マネーの逆流に慌てたのは投資家だけではない。新興国自身も戸惑いを隠せない。代表例のブラジルは当初、過度な投機資金流入による自国通貨高を警戒し、8月31日には利下げに踏み切ったばかりだった。

 しかし事態は急転。ギリシャの債務問題の深刻化などが重なり、投機資金は逆流を起こし、想定以上にレアルが売られる事態に陥った。今度は自国通貨防衛に転じたブラジル中央銀行が9月22日、レアル買い・米ドル売りの為替介入を断行せざるを得なかった。

 自国通貨安への警戒感を強めたのはブラジルだけではない。輸出産業を支える効果を期待してウォン安政策を続けていた韓国も、急激な資金流出を懸念してウォン買い・米ドル売りの介入に転じ、市場関係者の驚きを呼んだ。

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