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ポジティブなことを書きとめることで強くなれる

『不安を希望に変える:ハーバード流7つのレッスン』の著者に聞く

  • 大野 和基

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2011年10月18日(火)

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スリニバサン・S・ビレイ(Srinivasan S.Pillay)氏
ストレスや不安に関する専門家。ハーバード・メディカル・スケールの精神医学臨床准教授。同大付属の精神病院マクリーン病院の脳イメージング研究センターで、外来患者向け不安障害治療プログラム、パニック障害研究プラグラムの部長を歴任。ニューズウイークやボストン・グローブ、FOXテレビなのメディアに数多く登場している

:日本は東日本大震災と原発事故でみんなが失望のどん底にあります。何かアドバイスがありますか?

ピレイ:こういう大惨事が起きた時でも、日本人がresiliency(弾力性、回復力)を持っていることを世界中の人が知っています。「変わることが可能である」とまず思うことです。Neuroplasticity(神経可塑性)という現象があります。これは大人になっても脳は変化するということです。

:大人になっても新しい環境に順応できるということですか。

ピレイ:実際に起きたことに対して、新しい見方をすることができるということです。

 例えば、USテニス・オープンでセレナ・ウィリアムズが負けました。でも彼女は失望しないで、「自分はよくやったと思った。2位にいるのはいやです。やはり1位がいい。だから今度は優勝できるように集中します」と言いました。赤ちゃんが歩くことを覚える時に、倒れても倒れても自分で立ち上がって歩こうとします。決してあきらめません。脳は本能的に「成功したい」と思うのです。

:自分を信じろ、ということですか?

ピレイ:自分の中で変化が起きることを信じろ、ということです。

 また、ミラーニューロン・システムというものがあります。周囲の影響を受けるということです。自分がいくら立ち直っても、周囲の人がまたあなたを落ち込ませることがあります。非常に鬱になっている人のそばにいると、このミラーニューロン・システムが作用して鏡のようにその気持ちが移ります。ですから、周囲の人のことも意識しなければなりません。このミラーニューロン・システムに打ち勝つ方法を知る必要があります。

:その方法というのは?

ピレイ:まず、周囲の人をプッシュしてはいけません。相手をプッシュすると、その反動に直面することになるからです。

 その代わり、自分の生活の中でポジティブなことを書きとめることです。1日が始まる時と終わる時にポジティブなことを少し書きとめるだけで、脳の働きを変えることができます。これは研究で証明されています。ある痛みの研究で分かったことは、痛みを強く感じるグループは痛みだけに神経が集中しているグループであることが分かりました。痛みがそこにあることを認めた上で、治療したら治るという希望を持つグループの方が痛みを感じなかったのです。

 可能であると信じるだけで脳は変わります。人は成功したいと思う一方で、失敗したらどうなるのかと無意識に恐怖を感じます。つまり反対方向にプッシュします。その両方の情報が統合されて、脳に送られます。脳が「自分にはできない」というシグナルを送るともうそれで“終わり”です。しかし、具体的にやり方が分からなくても、「できる」というシグナルを送ると、無意識のうちに思考回路が作動し始めます。

 ミラーニューロン・システムの存在を考えると、自分から意識を変えることで、人を助けることもできます。

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