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企業業績圧迫、洪水が追い打ち

異変・世界経済(2) 混乱するアジア

  • 阿部 貴浩,戸川 尚樹,小谷 真幸

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2011年10月25日(火)

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日本企業の業績を支えてきたアジア経済に異変が生じている。中国、インド経済が急減速し、タイの大規模洪水が追い打ちをかける。近く本格化する上場企業の決算発表は、厳しい業績予想が増えそうだ

 デジタル一眼レフカメラの9割をタイで生産するニコン。現地法人が工場を構えるアユタヤ県のロジャナ工業団地に洪水の危険が迫ったことから、10月6日に操業を停止した。9日には団地内に浸水が始まり、すべての建物の1階部分が浸水している。工場内の水位は1mを超え、1階にある生産設備は被害を受けた。

 例年、10月は年末商戦に向けて生産台数を増やす時期だ。ニコンは、タイの工場で一眼レフカメラを年間約500万台生産しているほか、交換レンズも6割以上をここで生産している。コンパクト型デジカメや新製品のミラーレスタイプのデジカメは中国で生産しているため影響はないが、高級機種である一眼レフは高い収益が見込める製品だ。操業停止が長引き年末商戦で品不足となれば、今年度下期の業績に与える影響は大きい。

 同じ工業団地に自動車工場を構えるホンダも、浸水被害を受けて操業を停止している。退避命令が出ているため、工場内に立ち入れず、被害の状況も把握できない。水位は一向に下がる気配がなく、少なくとも21日の金曜日までは操業を停止する。週明け以降の操業は状況を見ながら判断するが、停止期間は長引く可能性もある。

 東日本大震災で部品調達に支障を来し、ホンダはタイでも減産を余儀なくされてきた。今回の大洪水は、ようやく部品調達が正常に戻り、フル生産が可能になった矢先の出来事だ。さらに、浸水など直接被害のない2輪車と汎用製品の工場も11日から操業を止めた。洪水の被害を受けた企業からの部品供給が滞ったからだ。

洪水はアジア事業全体に波及

 タイは日本企業にとって高い成長が期待できる販売市場であると同時に、東南アジアや日本などへの輸出拠点でもある。ホンダは4輪車の生産能力が年間24万台あり、その半分程度は東南アジアを中心とした輸出用だ。生産能力が年間63万台あるトヨタ自動車は「カムリ」や「プリウス」など幅広い車種を生産し、30万台強を近隣地域に輸出する。工場の被害はないものの、部品不足で生産は停止中だ。

 日立製作所は冷蔵庫のコンプレッサー工場が操業を止めた。家電子会社の日立アプライアンスは、タイからコンプレッサーを輸入している栃木県の冷蔵庫工場と、バンコクの現地統括拠点に、それぞれ対策本部を設置。在庫の確認や生産計画の見直しなどに追われている。日立金属はタイで生産している電子部品を、中国や日本で代替生産することを検討し始めた。工場に直接の被害が出ていない東芝も、工業団地からの要請を受け、操業停止を決めた。

 JPモルガン証券の高橋耕平アナリストは、「生産停止の期間がどの程度になるか分からない。タイは日本企業の輸出拠点になっているため、洪水被害が東南アジア事業全体にまで影響する可能性がある」と話す。

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