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富豪ランキングより「中産階級」

2012年、指導者交代後の中国を読む[上]

2011年10月24日(月)

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 2012年、中国の最高指導者である国家主席が交代する。この大きな節目を迎え、中国はどのように変わっていくのか、日本企業にとってどのようなチャンスとリスクがあるのか。中国有数のビジネススクール「長江商学院」の項兵学長に聞いた。

 ジャック・マー氏(アリババグループ会長兼CEO)や、李東生氏(TCL集団会長兼CEO)などを輩出した長江商学院は、香港最大の企業グループである「長江実業」の創設者である李嘉誠氏の出資により大陸で設立された。項兵学長は、2011年11月15日開催の「アジア会議」でも講演をする予定。

(聞き手は谷口徹也=日経ビジネスオンライン副編集長)

―― 来年、中国の国家主席が交代する。日本の人たちは中国にどんな変化が起こるだろうと注視している。どのように予測しているか。

長江商学院学長・項兵氏(写真:坂田亮太郎、以下同)

項:中国はこれからいろいろな変化が起きることは確実だ。ただし、指導者の交代とは関係なく、変化は起きると見ている。主に以下に挙げるいくつかの領域だ。

[1]製造業の質的な変化。モノ作りの分野で比べれば、日本と中国なら日本の方が強く、中国は組み立て工程を受け持つことが産業の中心だった。しかし、中国はこれから本格的に製造業大国への道を歩み始める。

[2]これまで、中国の企業は国際競争において、主に低コストと低価格で勝負していたが、これから「価値」で勝負する企業が増えてくるだろう。

[3]中国企業が「価値」で勝負するようになるならば、企業におけるイノベーションの問題がますます重要になってくる。

[4]社会では、(格差問題などを和らげる)「寛容さ」を持つことが重要視される。これまでの約30年間、中国は基本的に鄧小平が唱えた「発展は絶対原理だ」という方針に基づく政策を貫いてきたが、これからは「寛容さ」を高めることになるだろう。

 さらに将来は「調和」の重要度が増し、その優先順位が「発展」を超えるかもしれない。これは、社会福祉制度の欠如と、その充実が要求されることにより起こる変化だ。

まず「寛容さ」、次に経済発展

[5]次はサービス業。去年、中国のGDPに占めるサービス業の割合は43%だった。それに対し、米国は82%、経済協力開発機構(OECD)平均は約70%もある。だから、中国のサービス業はこれから大きく発展する余地がある。中国の経済発展は輸出から内需へと転換し、政府もサービス業を営む民営企業と外資系企業に大きな発展余地を提供するようになった。

[6]高齢化社会の到来。既に高齢化社会への道を歩んでいる日本は、この分野についてのたくさんの経験を持っている。一方、中国は変化が始まったばかりで、これからの5年、10年で問題が顕在化してくるだろう。ただし、この変化は企業にとって、ビジネスチャンスにもなる。

[7]代替エネルギー(新しいエネルギー)、環境保護、人間と自然の調和のとれた発展について、次の政府による重大な調整が実施されると思われる。

―― 今、挙げた変化は、これまでも中国の構造的な問題として指摘され、改善に取り組まれてきた項目でもある。現指導部と新しい指導部ではその方法論やスピードに違いが出てくるのか。

項:新しい政府が目指す国の発展モデルは「寛容さ」の増加になると思う。「調和社会」の構築は経済の発展より重要だ。経済発展をやめるわけではないが、両者の重要性はほぼ同じくらいになるだろう。まずは「寛容さ」を優先し、次に経済発展を目指す、というイメージだ。

 だから、この変化に対応すべく、中国の企業はこれからの産業構造の変化やバリューチェーンの発展において、たくさん努力しないといけない。

 今までは加工業が中心だったが、これを高付加価値型の製造業へと転換する。これは、より急がれる任務だ。中国に限らず、多くの新興国の企業経営者はみんなお金を稼ぐ能力は持っているが、でも「(社会発展に役立つ)壮大な商業機構」が作れない。これは日本に学ぶべきところが大きい。

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「富豪ランキングより「中産階級」」の著者

谷口 徹也

谷口 徹也(たにぐち・てつや)

日経ビジネスベーシック編集長

日経ビジネス、日経情報ストラテジーの記者などを経て、2002年日経ビジネス香港支局特派員、07年日経ビジネス副編集長、09年日経ビジネスオンライン副編集長。12年日経エコロジー編集長。14年ビジネス局長補佐。16年1月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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