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タイの洪水被害が収束しない複雑な理由

水害リスクを“見える化”せよ

  • 秋山 基

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2011年11月4日(金)

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 タイで起きている洪水は、各地に大きな被害をもたらしただけでなく、アユタヤ周辺の工業団地を水没させたことで、日本企業の生産活動に打撃を与えた。首都バンコクでも、中心部を流れるチャオプラヤ川が一部で氾濫し、じわじわと浸水域が広がっている。

 なぜ今回の洪水は、これほどまで規模が拡大しながら、長期にわたって続いているのか。グローバル化が進む中、企業はこうした海外の災害リスクとどう向き合うべきなのか。

 タイで現地の研究者たちと共同研究を続けてきた東京大学生産技術研究所沖研究室で特任助教を務める中村晋一郎氏に聞いた。

(取材構成は、秋山基=ライター)

 現在、タイで起きている洪水の直接的な原因は、6月から9月にかけて続いた記録的な大雨だ。この期間のタイ国内の雨量は平年より3~4割多かった。また、10月に入っても雨は降り続いた。

 こうした降雨の規模は「50年に1度」のレベルとも言われているが、気象庁によればその降雨量は平年比の3割から4割増とされる。大雨の原因としては、太平洋東部の赤道付近で海水温が低下するラニーニャ現象の影響が考えられる。

 洪水の原因を探るうえでは、ダムの運用の仕方にも目を向ける必要がある。タイの季節は雨期と乾期に分かれ、6月から9月にかけては雨期に当たる。この時期、チャオプラヤ川上流域のダム群ではどんどん水をため込んでいく。雨が降らなくなる乾期の農業に備えるためだ。

 ただ、雨期全体の降水量を正確に予測するのは難しいため、ため始めるタイミングが早いと、ダムはいっぱいになり、ダムに流入した分については放流せざるを得なくなる。タイでは2006年にも洪水が起きているが、今回、チャオプラヤ川上流域のダム群では、2006年の時よりも早い9月前半の段階で貯水量がピークに達し、次々と放流を始めた。

緩い勾配が洪水を長期化

 ダムがいっぱいになったら放流するという操作は、基本的に間違ってはいない。しかし、河川には流下能力、つまり水を流せる限界の容量があり、容量を超える水が一気に下流に向かえば、当然、あふれる所が出てくる。

 特に川の隘路に当たる狭窄部では流下能力が低く、洪水が起きやすい。チャオプラヤ川には、アユタヤの上流とバンコクの上流の2カ所に代表的な狭窄部がある。日本企業の工場が立地する工業団地はまさにこの2つの狭窄部の間に挟まれており、そのため甚大な被害を受けたわけだ。

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