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アジア部品供給網、度重なる試練

  • 阿部 貴浩,戸川 尚樹

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2011年11月7日(月)

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タイの洪水により、深刻な部品不足の影響が世界に広がっている。東日本大震災に続く試練に直面し、多くの企業が減産を迫られている。部品調達のリスクをどう回避するか。戦略見直しの動きが再燃しそうだ。

 「この下期、タイの4輪車工場は、ほとんど稼働できないことになる」。10月31日の決算会見で、ホンダの池史彦専務は、悔しさを隠さなかった。

 ホンダが4輪車の生産拠点を構えるアユタヤ県のロジャナ工業団地は浸水被害に遭い、現在も水位は2m程度ある。在庫や生産設備が水につかり、水が引いても設備の入れ替えなどに数カ月単位の時間が必要になる。再開のメドは全く立っていない。

 東南アジアの主要生産拠点であるタイの操業停止で10万台超の影響が出る見通しだが、影響はこれだけにとどまらない。タイは部品の生産拠点であり、部品不足からマレーシア工場の生産が停止した。日本の工場は11月7日から減産し、米国・カナダの6工場は11月10日まで5割減産する。「どの部品が足りないか精査し、代替調達が可能なのか対策を考える」(池専務)といい、影響を把握しきれないとして、2012年3月期の業績予想を撤回した。

トヨタ、世界で生産に支障

 工場が浸水していないトヨタ自動車もタイ工場の操業を停止。その後、国内工場も部品不足で残業を取りやめた。さらに、米国や南アフリカ共和国、カナダなど日本を含む7カ国での生産調整へと、影響は世界に拡散している。

 世界26カ国・地域で車両や部品を生産しているトヨタだが、タイを経由している部品は多い。サプライチェーンの核であるタイで供給網が途切れると、世界中の生産に支障を来す。

 なぜ日本企業はこれほどタイに集中しているのか。それは日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)のEPA(経済連携協定)を通じた関税の削減・撤廃などを踏まえ、国際分業の軸に最適な立地としてタイを選んだからだ。

 この構図はほかの業界も同じだ。パソコンなどのデータ記録装置であるHDD(ハードディスク駆動装置)もタイが一大生産拠点。世界3位の日立グローバルストレージテクノロジーズは部品調達の制約で、減産を強いられている。サプライヤーの供給計画を把握できない限り、生産再開の見通しは立たない。世界1位、シェア3割の米ウエスタン・デジタルも生産を停止した。世界中がHDD不足を不安視する中、「供給量の低下を最小限に食い止めるため、現在、代替部品の調達を急いでいる」(日立製作所)ところだ。

 富士通はHDD不足への対策を急ぐ。「部品在庫を多めに積んでいたこともあり、11月いっぱいはパソコンの生産に支障は出ない。だが、その後は何とも言えない」と加藤和彦CFO(最高財務責任者)は話す。まだ水が引いておらず、HDDメーカーも詳細な被害状況や復旧見通しをパソコンメーカーに伝えられない。「注文を受けた製品を納期通りに納めるのが我々の使命。被害が長期化しようとも、世界中からHDDをかき集めてパソコンを生産する」(加藤CFO)と、悲壮感すら漂う。

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