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洪水のタイで一転して生産再開が広がり始めたワケ

東日本大震災とは異なった生産停止の主因

  • 石川 香苗子

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2011年11月15日(火)

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 タイで起きた大規模洪水──。それに伴って、自動車や電機関連などの製造業で、製品の生産停止や減産に踏み切る動きが、タイ国内のみならず海外でも拡大した。被災したタイのサプライヤーから部品が調達できなくなったからだ。

 それは、東日本大震災の後に起きた混乱を彷彿とさせた。同様に生産停止や減産が長期化するのではないかと懸念されたが、トヨタ自動車が今月21日にタイの完成車工場で生産を再開し、北米の工場も通常稼働に戻すと発表するなど、一転して早期に生産を再開する動きが広がり始めている。

 事態が急に好転したのはなぜなのか。東京大学ものづくり経営研究センターの研究ディレクターを兼任し、グローバルに事業展開する製造業の動向に詳しい東京大学大学院経済学研究科の新宅純二郎准教授に聞いた。

(取材構成は、石川香苗子=フリーライター)

―― タイの洪水で製品の生産停止や減産が国境を越えて広がり、東日本大震災の再現かと憂慮されました。そのため当初は、生産の再開やフル操業にこぎ着けるまでに半年以上かかるとの見方が優勢でしたが、ここに来て思いのほか早く生産を再開したり、フル操業に戻す動きが出てきました。

新宅:それは、タイの洪水に端を発した生産停止や減産の実態が東日本大震災の時とは異なっているからだと思います。直接被災していない国内の別の地域や海外にまで広がった点は同じですが、その原因や発生の仕方が違っている。

 その違いを理解するために、まずは東日本大震災の後に起きたことを振り返ってみましょう。

 東日本大震災の後には、地震や津波に襲われた東日本だけでなく、被災していない西日本や海外でも、製品の生産停止や減産が広がりました。なぜでしょうか。

海外でもサプライヤーは日本から輸入していた

新宅:それは、完成品メーカーの製品に組み込まれている部品を供給するサプライヤーの中に、岩手、宮城、福島の東北3県を中心とする東日本の企業が含まれていたからです。

 それらの企業の工場が被災して、部品の供給が途絶えた。そのために自社の工場は被災していない完成品メーカーも、製品を生産できなくなりました。

 海外でも、1次サプライヤーは現地の企業であっても、そこが製造している部品に使用されている部材の調達先をたどっていくと、日本国内の企業に行き当たる。

 その中に、震災で工場が被災して部材を生産できなくなった東日本の会社があった。そこから部材の供給がストップして、海外の完成品メーカーも生産停止や減産に追い込まれたわけです。

 例えば、2008年にリーマンショックが起きる1年ほど前に、タイに完成車工場を持つある日系の自動車メーカーが、部品の現地調達の実態を調べたそうです。1次サプライヤーの段階では、タイの会社やタイに進出した日系の自動車部品メーカーが現地の工場で生産した部品を使っていたので、この段階での現地調達率は9割でした。

 しかし、それらの1次サプライヤーが部材を調達している先を調べていくと、日本から輸入しているものが次々と出てくる。完成品に占める日本製の部材の割合は半分近くになりました。

 つまり、1次サプライヤーの段階での現地調達率が9割でも、実際の現地調達率は6割程度だったというわけです。これでは、日本からの部材の供給が滞れば、タイの完成車工場が生産停止を余儀なくされるのも無理からぬことです。

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