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下期挽回シナリオに暗雲

上期決算を読み解く(1) 自動車

  • 阿部 貴浩,加藤 修平

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2011年11月16日(水)

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自動車各社の下期回復シナリオに暗雲が立ち込めている。円高に加え、タイの洪水で生産調整が広がるためだ。東日本大震災からの「V字回復」プランは見直しが必至になる。

業績好調な日産自動車も、円高などで下期の経営環境は厳しい(決算を発表する志賀俊之COO)

 「円高と震災という逆境の中で従業員や販売店などが頑張ってくれた。評価できる数字だ」。11月2日、日産自動車の志賀俊之COO(最高執行責任者)は、2011年4~9月期の決算をこう説明した。本業の儲けを示す連結営業利益は3096億円と円高などで前年同期比8%減ったが、世界販売台数は1割以上多い222万5000台になった。

 志賀COOは「日産はいろいろな部門が連携し、1つの目標に向かって仕事をしていく」と、全社を挙げての復旧活動が順調に進んだことを示唆した。

 日産は福島県いわき市のエンジン工場が震災で甚大な被害を受けた。しかし、震災後の生産回復は、相対的にほかのメーカーよりも速かった。中国など新興国市場に傾注するという事業戦略や、タイから日本に自動車を輸入するなど一歩進んだ円高対策も奏功し、この4~9月期は乗用車メーカー8社の中で最も多くの利益を稼ぎ出した。

 2012年3月期通期は営業利益を5100億円と、6月に公表した予想から500億円積み上げた。好調が続く中国での販売台数見込みを125万台と計画比で8.7%上積みし、世界販売を同3.3%増の475万台に引き上げた。

下半期にリスク見え隠れ

 しかし、好調な販売の裏側で2012年3月期の下半期にはリスクが見え隠れする。1つは、日産のみならず自動車各社をむしばんでいる円高だ。

 日産は業績計画の前提となる下期(10~3月)の為替レートを1ドル=80円とした。政府・日銀が10月31日に大規模な円売り介入に踏み切った直後で、日本自動車工業会の会長でもある志賀COOは「現状より悪いレートは想定すべきではないと考え、政府への応援の気持ちを込めて決めた」と、1ドル=70円台を前提とする業績見通しをあえて避けたことを明言した。

 しかし、介入終了後の円相場は再び1ドル=78円近辺で推移している。3日には欧州中央銀行(ECB)が政策金利を0.25%引き下げた。米連邦準備理事会(FRB)も2011年と2012年の米国の実質経済成長率見通しを下方修正し、金融市場では追加の金融緩和があるとの観測がくすぶる。米欧の中央銀行が金融緩和を続ける中、為替相場が円安に動く要因は乏しい。

 国内生産の8割を輸出しているマツダは、円高による業績への影響が相対的に大きい。下期の円相場を1ドル=76円と従来予想より円高方向に修正したことで、米ドルで150億円、ユーロが52億円、その他の通貨で153億円と、合わせて355億円の営業減益要因になる。200億円を見込んでいた2012年3月期の営業損益は、損益トントンまで減少する見通しだ。

「円高が現場の努力を奪う」

 マツダも決して新車販売が悪化しているわけではない。2011年度の新車販売台数は全世界で131万台と、従来予想に比べ5000台上積みした。新エンジンで燃費性能を大きく改善させた小型車「デミオ」や「アクセラ」の販売が日米で伸びると見ている。ただ、販売台数の増加とコストの削減で上積みできる営業利益は60億円程度にとどまり、これは円高による減益要因の6分の1程度にすぎない。山内孝社長は「長引く円高は、現場の努力をすべて奪ってしまっている」と嘆く。

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