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厚生年金保険料が2倍になる

2011年11月18日(金)

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大企業の中高年サラリーマンを狙い撃ちした社会保険料の大幅引き上げが始まりそうだ。厚生年金では、保険料が1.4倍から2倍近くになる層まで出てくる。裏にあるのは、年金・健保財政悪化のつけ回し。政策不信と景気不振をもたらしかねない。

 復興増税と社会保障改革のための消費増税に続いて、厚生年金、健康保険、介護保険の保険料が高所得の会社員を対象に大幅引き上げとなる可能性が出てきた。特に厚生年金は、月収63万5000円以上の212万人に影響し、年収1500万円層では年間保険料が1.4倍、同じく2000万円を超える層ではほぼ倍増する計算になる。

「大企業」「中高年」狙い撃ち

 同時に健康保険や介護保険の保険料も、相対的に所得の高い大企業の中高年社員を中心に、年間数万円以上上がりそうだ。負担増が偏り、一方で定額保険料である国民年金に加入している弁護士や開業医など、高額所得の自営業者との負担のアンバランスはさらに拡大する。

 デフレで賃金が減る中、「取りやすいところから取るだけ」(堀江奈保子・みずほ総合研究所上席主任研究員)とも見える政策は、経済の活力を損ないかねず、議論を呼ぶことは必至だ。

 厚生年金の保険料は、毎年4~6月の月例給の平均額を「標準報酬月額」として、30の等級に当てはめ、各等級の月額に保険料率(16.412%)をかけて算出する。現在最高等級の標準報酬月額は月62万円で、保険料は同10万1754円。賞与も同様に1回150万円(年間300万円)が上限となっている。

 10月末の厚生労働省の社会保障審議会年金部会で議論され、一気に注目を集めたのはこの上限の引き上げ。厚労省は標準報酬月額を既に引き上げている健康保険と同じく月121万円(賞与は年間540万円)に引き上げる案を示したのだ。

 狙いは、「(負担上限が決まっている現在の方式の場合)年収の高い人ほど実質負担率が低くなり、低所得層との負担のバランスが崩れるのを補正するとの考え方から」(梶尾雅宏・厚労省年金課長)という。

 現在は、月例給が200万円でも保険料は前述の10万1754円で頭打ちとなるため、実質の保険料負担率は約5%になる。「低所得層も約16%の保険料を負担している中でこれはどうか」(同)というわけだが、“正論”の裏には本音も見え隠れする。

負担増の裏に年金未納対策

 その1つは、今春の税と社会保障の一体改革でも掲げた、パートなどへの厚生年金の加入条件を「週30時間以上」労働から「20時間以上」に緩和した場合、新たに必要になる年金給付財源を捻出する狙い。

 しかも、これには一向に上がらない「国民年金の未納問題の改善の狙いも感じ取れる」(西沢和彦・日本総合研究所主任研究員)との見方もある。下落を続けてきた国民年金の納付率は、2005年頃やや改善したが、それも相次ぐ社会保険庁批判をかわすために、収入が少ないことを理由に保険料を免除とする対象者を増やすなど、無理な対策で持ち上げただけ。批判が強くなると、それもできず昨年度は再び下落し、ついに59.3%に落ちた。

 短時間労働者を厚生年金に加入させ、源泉徴収すればそれが改善できると見られるからだ。

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「厚生年金保険料が2倍になる」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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澤田 秀雄 エイチ・アイ・エス会長兼社長、ハウステンボス社長