• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「原発=核兵器工場」説を検証する

国家にとっては軍事戦略的な意味がある

2011年11月30日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

新興国の原発ラッシュが始まる

 図1で示したように、1970~90年代にかけて原発は急速に普及し、その後に伸びがストップした。その原因の1つは、東西冷戦の終焉であろう。国別に原発の導入時期をプロットした図3を見ると分かりやすい。西側では、56年の英国のコールダーホール1号炉を端緒として、フランス、米国、ベルギー、カナダ、日本、イタリアと矢継ぎ早に導入が進んだ。

 63年に日本(東海村)とイタリア(ガリリアーノ)が運転を開始、後に設定されるサミット(主要国首脳会議)のイニシャルメンバー6カ国(G6)では、早くも導入が完了した(カナダも含めるとG7に導入完了)。その後は北欧、中南米、極東における主要な国々で導入が進められた。

 サミットでは2005年にG8に加えてアウトリーチと呼ばれる5か国(ブラジル、インド、中国、南アフリカ、メキソコ)が準メンバー的に参加しており、図3-1でもこれらの国々に順次行き渡っていることが分かるであろう。

 対抗する東側はこれに遅れること約15年、70年代から精力的に原発を建設し、90年までにほぼ展開を完了している。東西のバランスを取るために、西側と同じようなかたちで、旧ワルシャワ条約機構加盟国やCIS(独立国家共同体)に展開していったのである。

 ところが、90年以降になると、両者申し合わせたかのように、ばったりと展開活動は止み、その後20年近くにわたってほぼ変化のないままに現在に至っている。ベルリンの壁が崩壊したのは、89年の11月であり、2年後の91年の12月に旧ソ連は崩壊した。

 これで終焉したかのように思える原発の拡大だが、新興国では新たな導入計画が相次いでいる。既に原発保有国である中国はこれから20年間で100基単位の原発建設を計画している。サウジアラビアなどは世界最大の石油埋蔵量を誇るOPEC(石油輸出国機構)の盟主であるにもかかわらず、2030年までに3億ドル(24兆円)という途方もない予算を計上し、16基の原発を建設する計画という。

 G20に加入したインドネシア、トルコ、オーストラリアも原発の導入計画を発表した。人口増加と経済成長が著しい新興国では、電力が足りないからである。こうしたエマージング市場の爆発的成長が、原発建設を再び加速させようとしているのだ。

 こうした電力需要の急拡大は、原発導入の新たな動機づけと言えるだろう。だが、東西陣営のつばぜりあいの中で拡大していった原発は、「原爆の爆薬であるプルトニウムの生産工場」という側面が強い。簡単にこのカラクリを紹介しておこう。

コメント25

「ニュースを斬る」のバックナンバー

一覧

「「原発=核兵器工場」説を検証する」の著者

川口 盛之助

川口 盛之助(かわぐち・もりのすけ)

盛之助 代表取締役社長

戦略コンサルティングファームのアーサー・D・リトル・ジャパンにてアソシエート・ディレクターを務めたのちに株式会社盛之助を設立。研究開発戦略や商品開発戦略などのコンサルティングを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

リストラなどつらい経験もありましたが、多くの山に登ったことで、別の景色が見えやすくなりました。

吉田 秀俊 VAIO社長