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大阪「ハシズム」に群がる中央政界

市長選と府知事選で大阪維新の会、完勝

2011年11月29日(火)

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 大阪の府知事と市長のダブル選挙の投票が締め切られた11月27日の20時。テレビ各局は維新の会の候補者である市長候補の橋下徹氏と知事候補の松井一郎氏の当確を告げる速報テロップを一斉に流した。

 市長選だけでなく、知事選までも大差で敗れる“瞬殺劇”は、「橋下陣営有利ながらも接戦」を信じた平松邦夫氏の支持者からすれば、予想外の速さだったかもしれない。

 民主党と自民党の大阪府連だけでなく、共産党までもが支持に回った平松陣営の事務所は、あまりにも早い敗戦のテロップに一瞬のどよめきが起こったが、すぐさま静まりかえった。

 一方、完勝に湧く維新の会陣営には、祝意を伝えに中央政界から議員が訪れるなど、早くも「橋下ブランド」を巡る駆け引きが始まっていた。

 維新の会の完勝を伝える速報テロップはまるで、橋下氏争奪戦の始まりを告げる号砲のようだ。

平松氏、組織票頼みが裏目に

 大阪市民が戦後初めて、行政経験のない民間人の平松氏を市長に選んだのは4年前のこと。わずか4年の間に、平松氏を有権者は「既得権益の守り役」とその印象を変えてしまったのだろう。

落選した平松邦夫氏

 地元の医師会や歯科医師会など、数々の団体が平松氏を「最適候補者」と推す認定証が選挙事務所の壁を飾る。大阪市の職員や連合大阪に教育関係者。大阪市が筆頭株主であり、橋下氏とバトルを繰り広げる関西電力は社を挙げて積極的に平松氏の支援に回った。

 選挙の票田とされる多くの団体をもってしても、橋下氏の牙城は崩せなかった。そのブランド力に、中央政界や地方の政治家が触手を伸ばそうとしている。

 「既成政党の力の無さを世間に露呈しただけ。知名度のある代議士の応援もなく、生殺し状態やったわ」

 事務所で平松陣営の敗戦を見届けた自民党の大阪府連の関係者はため息混じりにこうこぼし、足早に事務所を後にした。

 「橋下主義=ハシズム」への対立姿勢は、有権者の目に「改革を邪魔する抵抗勢力」と映ったようだ。有権者は既存の政治に「NO」を突き付け、閉塞感から抜け出せない大阪の早急な改革を迫った。

「たとえ独裁でも、動く政治を感じたい」

 真面目にじっくりと改革を推し進める平松氏の手腕を評価する人も少なくない。だが、有権者はもっと素早く、劇的な変革を牽引できるリーダーを望んでいた。たとえそれが、独裁政治の危険性をはらんでいると分かっていても、だ。

 40代男性の有権者は語る。

 「政治に動きを感じたい。橋下さんの掲げる改革は、良い面だけやなくてアカンところもたくさんある。そりゃ分かっとるけど、動きを感じたいんや」

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「大阪「ハシズム」に群がる中央政界」の著者

白壁 達久

白壁 達久(しらかべ・たつひさ)

日経ビジネス記者

2002年関西大学経済学部卒業後、日経BP社に入社。日経ビジネス、日経ビジネスアソシエを経て、2015年から香港支局長としてアジア全体をカバーする。2016年8月から日経ビジネス記者に。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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