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住宅不況が変える米国

2011年11月30日(水)

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財政協議の決裂など政治の混乱が続く米国では、住宅問題が長期化している。焦りを見せるオバマ大統領やFRBが対策に動くが、期待できる効果は限られそうだ。行き詰まる消費者と壊れるモラル。銀行批判と相まって米国を蝕み続けている。

 「住宅ローンに苦しむ人を助けるプログラムがあるのは知っている。でも、それを受けるには何日も待たなければならないし、そのために何をすればいいのかなんて分からなかった」

住宅ローンに苦しんだキンバリー・ホワイトヘッドさんはNPOに駆け込んだ

 米ジョージア州アトランタの専門学校で学生向けの健康カウンセラーとして働くキンバリー・ホワイトヘッド(41歳)さんはこう振り返る。

 独身の彼女は、2004年に市内の単身者向けアパートを購入。15万ドルの住宅を購入しローンを組んでいたが、金融危機による不況の影響で、2009年頃から返済に窮し始めた。

 毎月の返済額は約1000ドル。年収が2万ドルだから生活は苦しい。購入当初に描いていたように収入は伸びず、返済計画は見直さざるを得ない。高金利の返済を少しでも減らそうと、銀行にローンの借り換えを求めることにした。自宅の評価額はバブル崩壊で6万ドルと半分以下に下落していた。

 昨年1月から銀行に借り換えを求めてきたが、「収入など、借り換えの条件を満たしていない」としていずれの申し出も却下。銀行に両親を連れていって「娘の収入が足りなければ、私たちが保証する」と言ってもらったこともある。だが、「一緒に住んでいない」との理由で門前払いにされた。

FRBもローン支援に前向きだが

 悪いことは重なる。昨年6月には乳ガンが発覚。動揺したホワイトヘッドさんは、知人から「3カ月続けてローンを滞納すると借り換えに応じてくれるらしい」との話を聞きつけ、実際にそうしてみた。結果は差し押さえを警告する文書が届いただけだった。

 ガン治療の医療費負担もあり、クレジットカードで生活費を工面してきたが、ついに身動きが取れなくなる。そして、住宅ローン問題を支援するNPO(非営利組織)「クレダビリティ」に駆け込んだ。

 担当者の指示に従い診断書などの追加資料を用意し再交渉を求めたところ、銀行はようやくテーブルに着いた。そして今年6月、やっと借り換えにこぎ着けた。毎月の返済額は700ドルに減り、ホワイトヘッドさんはようやく一息ついている。

 米国経済を苦しめる最大の問題、それはバブル崩壊から立ち直れない住宅市況にある。10月の住宅着工件数は62万8000戸と事前予想こそ上回ったが、健全な水準とされる100万~150万戸にはまだ遠い。ホワイトヘッドさんの住むアトランタも住宅市況の悪化という点では全米有数の都市に挙げられている。

 米経済再生のカギである住宅問題をどう改善させるか。政府も数々の対策を打ってきた。だが、成果は芳しいとは言い難い。

 米連邦住宅金融庁(FHFA)は10月24日に住宅ローン保有者の救済計画を拡大した。「アンダーウオーター(水面下)」に陥ったローン保有者を救おうというものだ。アンダーウオーターとは、住宅価格の下落によって、評価額を上回るローン残高を抱える状態を指す。

 従来もこうした層の救済策はあったが、評価額がローン残高を大きく下回るような場合は対象外とされた。今回は、住宅価格の下落幅にかかわらずローンを借り換えられるよう支援する。いわば、「水面下」に深く沈み込んでしまった人たちを救おうとしているもので、一定の効果が見込まれている。

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「住宅不況が変える米国」の著者

細田 孝宏

細田 孝宏(ほそだ・たかひろ)

日経ビジネス 副編集長

1995年早稲田大学卒業。日経BPに入社し、日経ビジネス編集に配属される。日経アーキテクチュア編集、日経ビジネス・ニューヨーク支局長などを経て現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

センズィン

センズィン(まいける・あーる・せんずぃん)

日経ビジネス ニューヨーク支局記者

2010年米ラトガース大学卒業後、日経BPニューヨーク支局に現地採用スタッフとして入社。スタートアップ企業に強い関心を持っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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松﨑 曉 良品計画社長