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清武巨人前代表・独占90分

「涙の会見」の真相を語ろう

2011年12月2日(金)

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 「清武の乱」――。
 球界の盟主と言われる巨人で権力を振るってきた渡邉恒雄・読売新聞グループ本社会長・主筆の人事介入を告発して3週間が過ぎた。
 双方の主張がぶつかり合い、ついに法廷闘争にもつれこむ乱闘となった。なぜ、こうした事件が起きたのか。当の清武英利氏にその経緯と胸中を語ってもらった。

(聞き手は白壁 達久=日経ビジネス記者)

 本誌は今回の取材に際し、読売ジャイアンツにも取材を依頼してきた。だが、「渡邉恒雄氏と桃井恒和社長(前オーナー)は多忙のため、期限内の取材は難しい」との回答だった。現在も取材日程を調整中。

写真:村田 和聡(以下同)

―― 11月11日の会見では、渡邉恒雄・読売新聞グループ会長のコンプライアンス(法令順守)違反を告発する内容だったが、その後は渡邉氏のスキャンダルを清武氏が告発することに報道の重点が移っている。

清武:11月11日と11月25日に会見を開きましたが、どうも私が伝えたい部分とは違う方向での報道が多くなっています。そこで今日は、伝えたい核心部分を話します。


私物化を止めるのが取締役の責務

 25日の会見では、「さらなるスキャンダルが公表されるのではないか」という期待が多かったようですが、私が伝えたいのは渡邉さんのスキャンダルではありません。トップによるコンプライアンス(法令順守)違反と企業統治の問題、そのことが及ぼす経営への影響についてです。

 この1件を「内輪の話だ」と批判する声もあります。ですが、渡邉恒雄さんは世界一の販売部数を誇る新聞社の事実上のトップです。読売巨人軍の最高実力者でもあり、日本のプロ野球界にも多大な影響力を持っているのはご承知の通りです。

 これだけの力を持った人が、ルールを無視した行為をしてしまった。それを知ったならば、制止することこそが、取締役の役割ではないでしょうか。最初の会見を開く2日前の11月9日、私は渡邉さんに会っています。彼は、江川(卓)さんをヘッドコーチにして岡崎(郁)さんを降格させるという人事を一方的に宣言しましたが、私は翻意を促しました。しかし、受け入れてもらえませんでした。この件については、電話でも彼に話しました。

「清武の乱」の経緯

日付 内容
 6月 7日 清武英利氏が専務取締役球団代表兼GM・編成部長・オーナー代行に就任
10月20日 清武氏が桃井恒和オーナー兼社長とともに渡邉恒雄会長を訪ね、来期の球団コーチ人事を提出、説明。
10月27日 ドラフト会議。巨人を志望する東海大の菅野智之投手を指名するも、日本ハムと競合。クジの末、日ハムが交渉権を獲得
10月31日 巨人がクライマックスシリーズのファーストステージで敗退
11月 4日 渡邉会長がマスコミを前に「俺は何にも報告を聞いていない。俺に報告無しに、勝手にコーチの人事をいじくるのはありえん。俺は知らん。責任持たんよ」と発言
11月 7日 渡邉会長から桃井オーナー兼社長と清武氏に人事の内示。桃井氏はオーナーを外れ、清武氏は専務取締役球団代表・オーナー代行・GM兼編成本部長から専務取締役球団代表・オーナー代行兼総務本部長コンプライアンス担当に。GM職を解く人事の内示を受ける(内容は11月11日の清武氏の会見から)
11月 9日 渡邉会長が桃井社長と清武氏に対して「来期の1軍ヘッドコーチは江川卓氏とし、岡崎郁ヘッドコーチは降格させる」と通告(発言内容は11月11日の清武氏の会見から)
11月11日 清武氏が会見。直前には「会見をやめろ」と渡邉会長から電話。会話の中で「君は破滅だぞ。読売新聞との全面戦争になるんだ」といった恫喝があったと明かす(発言内容は11月25日の清武氏の会見から。渡邉会長は発言内容について異論を唱える)
11月12日 日本シリーズが開幕
渡邉会長が清武氏の会見に対し、文書で反論
11月18日 読売巨人軍が清武球団代表の解任を発表
11月20日 日本シリーズが終了
11月25日 清武氏が再度会見
11月末~ 新聞紙上で渡邉会長が再反論

 会見で世間に明らかにすると表明した11日にも、渡邉さんから「会見をやめろ」「君は破滅だぞ。読売新聞と全面戦争になるんだ」といった恫喝がありました。でも、私がいくら話をしても翻意はありませんでした。

 ここで申し上げたいのは、単なる社内人事に関する「内輪もめ」ではないということです。考えてみてください。既に決定して開示され、進行している子会社の人事を、親会社のトップが突然覆す。こんなことがあってよいのでしょうか。

 しかも、知名度が高く、公共性も高いプロ野球の人気球団でもある巨人軍において、このような「私物化」がまかり通っている。私は専務取締役という立場でした。取締役の役割として、行き過ぎた行為があれば、それを制止するのは当然のことです。

 コンプライアンスというのは、内部統制の一部です。トップのコンプライアンス違反があるという時点で、巨人軍には内部統制が利いていないということになる。

 オリンパス問題など、会社の経営が問題視される今、内部統制の不備は会社を滅ぼすと言っても過言ではありません。

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「清武巨人前代表・独占90分」の著者

白壁 達久

白壁 達久(しらかべ・たつひさ)

日経ビジネス記者

2002年関西大学経済学部卒業後、日経BP社に入社。日経ビジネス、日経ビジネスアソシエを経て、2015年から香港支局長としてアジア全体をカバーする。2016年8月から日経ビジネス記者に。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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