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熱い人、そんなに私に近寄らないで

“沸騰”するのは勝手だが、自分で自分が見えてるか

2011年12月9日(金)

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 職場の上司が熱い人で、その情熱に付き合うのがしんどくてなりません。僕はもっと冷静に仕事をしたいのですが…。(30代男性)

 遙から

 情熱をもって、とか、熱く、とかいう働き方は、その解釈を間違えるとしばし、でしゃばった、とか、立場をわきまえない行為に出がちで、そういうタイプには必ずといっていいほど私は痛い目に遭ってきた。

 ある健康商品を開発したという男性に仕事で出会った。癒し系アロマ商品だ。プレゼントされたそれを使用してみると、なかなかいいではないか。

 健康云々の効果よりも、気持ちのいい香りそのものに癒される。その感想をお礼とともに伝えると、“熱い”答えが返ってきた。

 「もっと説明したいから会ってほしい」

 思い返せば、ここで私はその熱さに引き下がるべきだった。私がその商品に開発者同様の熱でかかわるのも変だ。会うことは遠慮し、メールのやりとりだけ続けた。

 「もっと意見がほしい」というので、正直に言った。

 「値段が高すぎる。アロマで3万円は市場にはない。半額くらいに下げないと女性たちに気軽にプレゼントできない」

 それから半年後、その男性から連絡が来た。

 「半額に下げました。助言のおかげ。一度、会って説明したい」

 ここでも私はやはり相手の熱さに危険センサーレベルを上げるべきだったのだ…。

 会わずにいられないほど上気している相手に対し、私は大人の判断をした…つもりだった。

 「会えませんが、購入させていただきます。ちょうど友達の誕生会があるので。歌手で神経を使う仕事だから喜ばれるでしょう。プレゼント用として送付してください」

 代金を振り込むと商品が送付されてきた。別袋のおまけがついていた。そして私宛ての熱い手書きの手紙も入っていた。そこには「おまけをつけた」ということと、「そのおまけは自分からのプレゼントであることをその歌手の方に必ず伝えてほしい」というものだった。

 私が正気ならここですべての包装をいったん解き、中身をチェックするか、「やっぱり変」と、違うプレゼントを購入すべきだった。と、今ではわかる。

 だいたい、「このおまけをくれた人はね…」と熱く私が友人に語らねばならない義理はない。そもそも購入した商品にメーカーがおまけをつけたこと以上のなんの意味もない。
私はそのまま友人にプレゼントした。

 女子会の誕生会は経験者にはおわかりだろうが、ケーキの登場後、プレゼントタイムが始まり、会のクライマックスを迎える。何歳になっても高揚する瞬間だ。私の同業者たちが順番にプレゼントを渡す中、誕生日を迎えた友達は私のプレゼントから封を開けた。

 パッケージを解き、フタを開けた瞬間、場が凍りついた。

「遙なるコンシェルジュ「男の悩み 女の嘆き」」のバックナンバー

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「熱い人、そんなに私に近寄らないで」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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