百貨店がほぼ独占的に販売してきた外資ブランドの化粧品。だが今後は、郊外SCや駅ビルでも取り扱いが始まる。百貨店の強みがまた1つ、薄れるかもしれない。

白を基調にした上品な売り場に、高級感ある漆黒の什器。棚にはシャネルやディオール、ランコム、イヴ・サンローランといった外資高級ブランドの化粧品が並び、売り場を専任の美容部員が行き来する――。
一見すると、百貨店か免税店のようにも見えるが、売り場があるのは日本最大級のSC(ショッピングセンター)、「イオン レイクタウン」(埼玉県越谷市)の一角だ。イオンは11月、同SCの中に外資高級化粧品ブランドを集めたセレクトショップ「コスメーム」を開業させた。 コンセプトは「ネイバーフッド ラグジュアリー(手に届く贅沢)」。郊外SCという消費者にとって身近な場所で、高級化粧品が買えるようになった。
百貨店の牙城に挑むイオン
「成熟市場を活性化するには流通革命を行う必要がある」。外資高級化粧品ブランドの日本支社長や副社長が勢揃いしたコスメームの開業会見で、イオンの岡田元也社長はこう強調した。
高級化粧品ブランドは今まで、販路の大半を百貨店が占めてきた。イオンはこの百貨店の独占販売を崩し、日本で初めて、SC内で高級化粧品を販売することに成功したのだ。
「日本の潜在力を見ると、もっと大きな流通機構で商品を販売したかった。ようやくふさわしい環境ができた」。同会見でシャネル日本法人のリシャール・コラス社長はこう話した。
このコスメームの存在が今、百貨店業界に大きな波紋を起こしている。
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