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新語・流行語大賞のオルタナティブ探訪

対抗企画が異なる世相を浮かび上がらせる

2011年12月20日(火)

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 「現代用語の基礎知識」(自由国民社)が12月1日、「ユーキャン新語・流行語大賞」(以下、新語・流行語大賞)のベストテンと大賞(ベストテンから選出)を発表しました。大賞は「なでしこジャパン」。以下、ベストテンには「絆」「スマホ」「どじょう内閣」「どや顔」「帰宅難民」「こだまでしょうか」「3.11」「風評被害」「ラブ注入」といったキーワードがランクインしました。ベストテンの半分が震災関連の言葉でした。

 ところで、筆者が知人などに新語・流行語大賞の話題を振ると、次のような返事を聞くことが少なくありません。「この賞って、ピンとこない言葉が選ばれていることが多いよね」。そんな声を聞くたび、万人が納得できるキーワードを選び出すことの難しさを思い知らされます。

 ただ新語・流行語大賞にはすでに30年近い歴史があります。長期間にわたって同じ姿勢(選考基準や方法)で言葉を記録してきた賞です。その蓄積を今後も生かすことは大事。その意味で、個人的には、同賞に今後も同じ姿勢で賞を継続してほしいと考えています。一方、より多くの角度から世相を斬るために「オルタナティブ」つまり「代替的な賞」が育つ必要があります。そこで今回の「社会を映し出すコトバたち」は、新語・流行語大賞に有力なオルタナティブが存在するのかどうかについて分析したいと思います。

 なお本稿を執筆するに当たって、筆者の「立ち位置」を開示しておきます。筆者は、新語・流行語大賞の選出母体である「現代用語の基礎知識」で、2010年版から「流行観測」のコーナーを執筆しています。しかし新語・流行語大賞の選出には関与していません。筆者も、ノミネートされていた言葉や受賞した言葉をテレビやネットで知った次第です。

多様化した社会で「共通項」を探る難しさ

 新語・流行語大賞は、年末に、その年の世相を振り返る賞としてすっかり定着した感があります。賞が始まったのは1984年。今年で28回を数えます。

 私見ながら新語・流行語大賞が始まった1980年代は、「国民みんなが納得できる新語や流行語」を既に喪失していた時代でした。例えば1985年の新語部門の金賞(当時は新語部門と流行語部門を分けて選出していた)を受賞したのは「分衆(ぶんしゅう)」という言葉。これは、価値観が多様化・分散化したことにより「大衆」がなくなったことを表した、博報堂生活総合研究所による造語でした。

 つまり新語・流行語大賞は「多様化した社会で時代の共通項を探る」という苦難に、その歴史の始まりから挑戦していたことになります。「こんな言葉、流行した?」という違和感の背景には、こんな事情もあるように思います。

 違和感の「もう1つ」の背景として、新語・流行語大賞の選出過程が関係していると思っています。同賞の公式ウェブサイトの解説によれば、同賞はまず、「現代用語の基礎知識」の読者ハガキなどで寄せられる情報を基にノミネート語を選出。さらに審査委員会による合議を経て、ベストテンを10語、大賞を1~2語選び出します(注:大賞はベストテンの中から選ぶ。大賞の語数は年によって異なる)。

 今年の審査委員会には「現代用語の基礎知識」の編集長のほか、東大教授の姜尚中(かん・さんじゅん)氏、歌人の俵万智氏、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏、女優の室井滋氏、漫画家のやくみつる氏、クリエイターの箭内(やない)道彦氏といった面々が参加しています。

 筆者は、以上の手順のうち「審査委員会の合議」という部分が、受賞語に対する違和感の大きな原因の1つだと思っています。審査の基準が分かりにくいうえに、審査に委員の個人的趣味が介在する可能性もあるからです。もちろんその逆に、合議であるがゆえの「見識」を示すことも可能です。

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「新語・流行語大賞のオルタナティブ探訪」の著者

もり ひろし

もり ひろし(もり・ひろし)

新語ウォッチャー(フリーライター)

CSK総合研究所を経て、1998年から新語専門のフリーライターに。辞書・雑誌・新聞・ウェブサイトなどに原稿を提供中。2009年より『現代用語の基礎知識』(自由国民社)で「流行現象」のコーナーを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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