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新条約合意、されど危機は去らず

  • ロンドン支局 大竹 剛

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2011年12月20日(火)

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欧州連合(EU)が、財政規律を強化する新条約の締結で合意した。だが、金融業界への影響を恐れた英国が不参加を表明し、足並みが乱れる。安全網の拡充や欧州中央銀行(ECB)の関与は不十分で、危機解決への道のりは遠い。

 「英国の国益が守られない。だから、賛成しなかった」。デービッド・キャメロン英首相は、そう断言した。12月9日に開かれた、欧州連合(EU)首脳会議の記者会見でのことだ。キャメロン首相が拒否したのは、アンゲラ・メルケル独首相とニコラ・サルコジ仏大統領が提案した、ユーロ加盟国の財政規律を強化する「財政協定」への参加だ。

 欧州債務危機の背景には、通貨は統合したが財政は各国独自という体制の不完全さがある。それが、ギリシャなどの放漫財政を許してきた。独仏首脳はEU条約を改正して加盟国の財政に法的なタガをはめ、財政統合へ道を開こうとした。

新条約が生む「主権」を巡る対立

 財政協定の参加国は、財政規律の順守を憲法に盛り込んで財政収支の均衡と黒字化を目指し、財政赤字のGDP(国内総生産)比が3%を超えた場合は自動的に制裁を受ける。さらに独仏は金融取引税の導入なども主張していた。ロンドンに集まる金融機関の活動を制限しかねないEUの権限強化は、英国にとって到底、受け入れられるものではなかった。

 英国の反対で、財政協定はEU条約を改正せずに、英国を除く26カ国が新たな国際条約を締結することを目指すことになった。メルケル独首相は「これはEUの安定にとって大きな進展」と話し、今回の合意が歴史的な意味を持つと強調した。だが、新条約はEU条約との法的な整合性に課題があるうえに、英国の脱落は、統合の深化が主権を巡るEUと加盟国の対立を誘発するリスクを浮き彫りにした。

 王立国際問題研究所(チャタムハウス)のロビン・ニブレット所長は、「(財政協定の)決定は参加国の議会の主権を大きく毀損することを意味する」と指摘する。英国に限らずフランスなどでも、ユーロ危機への不満から反EUの動きは強まっている。新条約は来年3月までの締結を目指すが、各国議会の承認が難航する可能性もある。

 財政協定が中長期的にユーロへの信認回復を目指すものなら、短期的な対策は危機がイタリアなどに伝播するのを防ぐ安全網(セーフティーネット)の拡充だった。しかし、それも市場の期待を裏切った。

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