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2011年の新語十選

日常に潜む問題点が発露した1年

2011年12月27日(火)

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 「社会を映し出すコトバたち」は、今回が今年最後の更新となります。そこで前回お知らせした通り、筆者が独自に選ぶ「2011年の新語十選」を発表したいと思います。本連載では、2010年末に発表した十選に続き2回目の発表となります。

 選出基準は3つ。第1に「今年、その言葉が話題になるきっかけがあった」こと(今年誕生した言葉でなくてもかまわない)。第2は「その言葉が今後しばらく定着しそうであること」(または史実に残りそうなこと)。そして第3に「その言葉に対する社会的関心が大きかった」ことを基準としています。もちろん、昨年と同じ基準です。

 ちなみに「2010年の新語十選」は以下の10語でした。生物多様性、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)、ウィキリークス、無縁社会、イクメン、女子会、食べるラー油、ソーシャルゲーム、スマートフォン、K-POPの10語です。このうち今年も大きく話題になった「TPP」や「ソーシャルゲーム」などの言葉について、今回は選外としています。

東日本大震災~地震・津波・原発事故の三重苦~

 十選の第1は「東日本大震災」です。2011年3月11日14時46分、三陸沖の太平洋を震源とするマグニチュード9.0の地震(東北地方太平洋沖地震)が発生しました。この地震に伴う大津波が、東北沿岸の広範な地域に、極めて甚大な被害をもたらすことに。そして、約2万人の死者と行方不明者を出してしまいました。さらに地震と津波の影響を受けた福島第1原子力発電所で放射能漏れ事故も発生。周辺地域の住民は、現在でも避難生活を余儀なくされています。

 この一連の災害のことを、政府は4月1日の持ち回り閣議において「東日本大震災」と正式に命名しました。なお命名以前に起こった呼称の混乱については、本連載の「東日本大震災で注目された『コトバ』の備忘録」で分析しました。

 災害に関連する様々な言葉が生まれました。まず東日本大震災の通称として、早い時期から「3.11」という表記が定着しました。2001年に起こった米同時多発テロ事件の通称「9.11」を思わせる語形です。また地震、津波、原発事故という3つの出来事を「三重苦」と捉える考え方(さらには風評被害も併せて「四重苦」とする考え方)も定着しました。さらに、この震災を「戦後最大の国難」と考える人もいます。

 今年の世相を振り返る各種のランキングは、東日本大震災の大きな影響を受けています。例えば新語・流行語大賞では、ノミネートされた60語のうち半分強が震災関連の言葉。12月1日発表のベストテンでも半数が震災関連の言葉でした。ちなみにノミネート語の中には「3.11」も含まれていました(「東日本大震災」は選外)。

原子力ムラ~秘密的・排他的な互助構造~

 十選の第2は「原子力ムラ」です。東京電力・福島第1原子力発電所の事故は、日本社会にエネルギー政策の再考を促しました。関連する言葉の中で筆者が特に注目したのが「原子力ムラ(村)」。原子力発電の推進に関係する様々な立場の人が、各々の利益を相補的に守りつつ秘密的・排他的にふるまう様子を「閉鎖的な村社会」に例えた言葉です。原子力ムラの一員とされるのは、原発推進の立場を取る政府機関・行政機関・学者・原子力関連の業界団体やメーカーなどです。

 筆者が発見できた最古の新聞記事は福井新聞1996年1月30日付け朝刊「企画・もんじゅ衝撃・9・第3部 検証・原子力村」という記事でした(注意:データベースに未登録の古い記事に同語が登場済みの可能性もある)。ただ、この言葉への注目度が本格的に高まったのは今年3月以降のこと。朝日・読売・毎日・産経の見出しまたは本文に「原子力ムラ(村)」を含む月別記事数は以下の通りです。

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「2011年の新語十選」の著者

もり ひろし

もり ひろし(もり・ひろし)

新語ウォッチャー(フリーライター)

CSK総合研究所を経て、1998年から新語専門のフリーライターに。辞書・雑誌・新聞・ウェブサイトなどに原稿を提供中。2009年より『現代用語の基礎知識』(自由国民社)で「流行現象」のコーナーを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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