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そこまでヒドイの? ケア・テーカーと呼ばれている日本人支社長たち

2012年1月6日(金)

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古い友人の愚痴

 古い米国人の友人が半年ほど前、日本の大手メーカー米国本社に幹部として転職した。先日、彼と暫くぶりに邂逅し食事をした席、酒が廻ったあたりで話題は、彼の勤務先における日本人駐在員の評価に移った。そこで彼の口から日本人の社長を評して出た言葉が、ケア・テーカー(Care Taker)だ。直接的な訳語は、介護ワーカーだがニュアンスとしては、「お手伝いさん」といった感じであろうか。ビジネスパーソンを表する言葉としては、相当にネガティブである。

 彼によると日本人駐在員の過半は大なり小なりケア・テーカー、現地法人のトップはケア・テーカーの王様(King of Care Taker)で有る由。「フミオ、とにかく彼らと働くのは効率が悪い。指示は曖昧。優先順位は付いていない。後先考えない頻繁な指示の変更に説明はない。社内だけに留まればまだ良いが、外で取引先や得意先からも同様の問題を指摘されるのは、競争が激しい中では死活問題だよ」

 余程言いたいことが溜まっていたのか、彼の毒舌は続く。

 「彼らは、日本にある本社の事情は良く知っている、だがそれ以外の事には驚くほど無知だ。役割に応じたスキルは不足しておる、学ぶ意思も無い。ディナーの話題はタイガーウッズか日本人メジャーリーガーに関することくらい。自国の歴史や文化を正確かつ興味深く説明できず、政治や国際問題について語れないビジネスエクゼクティブなんて、日本以外の先進国では考えられないぞ。この間の話題は原発問題だったが、我々の方がディテールを含め良く理解していたのは、最早ブラックジョークの域だ」。

 彼はいよいよ核心に迫って来た。

 「定期的にローテーションされて日本から来るケア・テーカーたちによる実害とストレスを喰いとめるため、我々は彼らを完全にお客さんとして処遇する仕組みを構築している。収益がなかなか改善しないことに関する本社へのエレガントな言い訳も含め、我々が全部やってやる。彼らは君臨しサインをして、日本人同士でつるんで遊び、ロングバケーションを楽しんで帰る。我々は、余計なチャレンジはしない。ちょっとだけストレスを我慢すれば、これほど楽で高給な仕事は無いからね。経営幹部の日本企業への定着率は、驚くほど高いと思うよ」

 「英語の問題だと思うか?」という私の問いに応える。

 「それも否定出来ないが大きな問題ではない。むしろ能力や知識、人間性の問題だよ。最大のものは、コミュニケーション能力かな。英語では無いよ。つたなくても、伝えるべき内容を伝えることが出来れば、ボスの話をちゃんと聞かない社員は居ない。日本人は同質性が高いので、曖昧なコミュニケーションに慣れていることには同情するが、日本以外の世界において、曖昧なコミュニケーションをとるマネジメントやリーダーは、組織にとって百害あって一利なしだ」

階級社会で生き抜くために必要な能力と知識

 国内マーケットの縮小と円高が続く中、最近、多くの日本企業でグローバル人材の育成が叫ばれている。英語など、外国語教育の重要性は、日本語以外の言葉を使うことが、コミュニケーションを明瞭かつ的確にするという相乗効果を含め、もちろん否定すべきではない。だが、それと同等、もしくはそれ以上に重要なのが、様々なバックグラウンドの人材をチームとして機能させるマネジメントとしての能力である。

 目標を提示し、能力に応じた各人の役割を規定し、進捗に応じ情報収集の上適確に判断を下し、次のアクションにつなげていく。いわゆるPDCA(Plan Do Check Action)のサイクルを廻して行く能力。このような当たり前の能力こそが、最も重要である。

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「そこまでヒドイの? ケア・テーカーと呼ばれている日本人支社長たち」の著者

大上 二三雄

大上 二三雄(おおうえ・ふみお)

エム・アイ・コンサルティンググループ株式会社 代表取締役/北九州市 参与

1981年東京大学工学部を卒業後、アンダーセンコンサルティング(現:アクセンチュア)入社。企業の戦略、オペレーション、IT、アウトソーシングを中心にしたさまざまな企業改革に従事。事業開発グループ統括パートナーとして事業開発・ベンチャー投資の責任者を務めた後、2003年に退社。現在、エム・アイ・コンサルティンググループ株式会社代表取締役。他に北九州市参与、立命館大学MBA客員教授、東京大学EMPアドバイザー、ISL幹事などを務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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