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金正日後の北朝鮮は変わるか

中国の「説得」カギ、冒険主義阻止へ3つの試金石

2011年12月28日(水)

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 北朝鮮は12月28日、金正日総書記の葬儀を行う。中国は同国が冒険主義に走らないよう、金正恩氏率いる新しい指導部に対し必死の説得に動く。 ただ、新指導部が素直に受け入れるかは分からない。その告別式の日に、北朝鮮の行方を考えてみたい。試金石は(1)核実験(2)中朝首脳会談(3)経済改革――の3つだ。

核実験実施なら緊張緩和は困難に

1994年に行われた金日成の葬儀の様子(写真:BATSU M/GAMMA/アフロ )

 中国の唐家璇・元外相は12月20日に北京で、訪中した自民党の林芳正政調会長らに「中国での玄関口で混乱は見たくない。不安定になることは断じて許されない」と語った。

 軍事評論家の恵谷治氏によると、2010年11月から12 月にかけて北朝鮮・北東部の咸鏡北道豊渓里で地中から大量の土砂が掘り出されたのが観測された。豊渓里は2006年、2009年と2度に渡って地下核実験が行われた場所だ。トンネルを掘って3回目の核実験を準備しているのはほぼ確実だ。

 今後、北朝鮮が核実験を実施すれば、指導部交代を生かした朝鮮半島の緊張緩和の可能性は大きく減じる。米国や韓国は金正恩政権との対話に動きにくくなり、それを受け同政権もかたくなな態度を続けることになるからだ。中国はこれまで以上に必死で新指導部に対し、核実験に踏み切らないよう働きかけているだろう。

 焦点となるのが、2012年2月から3月にかけて実施が予定されている、毎春恒例の米韓合同軍事演習「キーリゾルブ」だ。例年、2万人前後の兵力が動員され、2011年は米空母も参加した。北朝鮮は極めて大きな脅威と感じ、演習期間中は全軍が非常警戒態勢に入り、経済活動も停滞する。

 2011年春の同演習はまさに「金正日死亡」を前提に北朝鮮の急変事態にも対応した内容だったため、北朝鮮は「侵略者が挑発するならソウルは火の海になる」と激しく反発した。2012年にも同演習を実施すれば、生まれたての新指導部が緊張するのは確実で、核実験実施の引き金になるかもしれない。中国は北朝鮮に核実験保留を持ちかける一方で、米国にもキーリゾルブ中断を呼び掛ける可能性がある。

中朝首脳会談の早期開催は可能か

 中国外交部の報道官は12月20日、「北朝鮮の新しい指導者が双方の都合のいい時期に訪中することを歓迎する」と述べた。

 中国の懸念は核実験に留まらない。2010年3月の哨戒艦「天安」撃沈事件や同年11月の延坪島砲撃事件のようなテロを北朝鮮の新指導部が起こす可能性があるからだ。28歳と若い金正恩氏は国民に指導者としての力量を見せる必要がある。両事件は軍内での同氏の権力確立のために計画されたとも言われる。一方、両事件で米韓政府は硬化している。新たなテロを起こせば最悪の場合、第2次朝鮮戦争につながりかねない。

 中国は一刻も早く首脳会談を開き、北朝鮮の新指導者に直接、「テロは起こすな」「核実験は保留しろ」とクギを刺したいところだ。最近、ある中国の半島専門家は日本の研究者に「北朝鮮側が引き起こした紛争には中朝軍事同盟は発動されない」と明言した。北朝鮮に対する間接的な警告のつもりだろう。

 ただ、北朝鮮が早期の中朝首脳会談を受け入れるかは疑問だ。「中国に説得された」ならまだしも「説教された」「介入された」と内外に受け止められれば、出帆したばかりの指導部は面子も失い、外交的にもマイナスとなる。

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「金正日後の北朝鮮は変わるか」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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