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中国ににじり寄る韓国

米中対立で米韓同盟の齟齬が露呈

2012年1月12日(木)

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 韓国がついに「中華世界」に戻り始めた。米国が広げた対中包囲網にアジアの海洋諸国が一斉に加わる。そんな中での韓国の「逆行」は異様に映る。米国の軍事力の被護の下、経済発展に成功した韓国だが、地政学的な位置と歴史的経緯から自由になるのは、やはり難しいのだろうか。

中国に押し切られたFTA

 韓国の李明博大統領は1月9日から11日まで訪中した。9日には胡錦濤国家主席と北京で会談、中韓自由貿易協定(FTA)の交渉開始で合意した。実は、李明博政権は「農産物を含む安価な中国製品の流入と、中国経済への過多な依存を恐れ交渉は急がない構えだった」(朝鮮日報1月10日付社説)。その韓国を、中国は圧倒的な国力の差を背景に交渉に引き込んだのだ。

 韓国政府は同国メディアに対し交渉の“負け”を釈明した。「頻発する中国漁船の不法操業問題に加え、金正日死亡後の不安定な半島情勢を考えると、今後、中国の協力を引き出すにはFTA交渉開始を受け入れざるを得ない」と、具体的に2つの理由をあげた。もっとも中国に押し切られたことに韓国メディアが反発する風はない。それどころか保守系紙でさえ軍事協力強化を訴えるなど、中国寄りの主張に転じていた。

 親米保守で知られた最大手紙の朝鮮日報は今年の元旦から掲載した連載企画「国交修交20年 中国を再び見る」で「中国の急激な軍事力増強に対し、軍事力で対応することには現実的な限界がある。韓米同盟を根幹にしながらも、中国と多様なレベルの軍事協力を模索するという新しい次元の安保戦略を打ち立てる必要がある」(1月2日付)と主張した。

「韓国の裏切り」

 「米中対立の構図が鮮明になった今、米中双方と軍事的紐帯を持つなどという虫のいいことは不可能だ」。日本の防衛省の安保問題専門家はこの記事を読んで声をあげて驚いた。そして記者にこう語った。「在韓米国大使館は、このくだりを翻訳し、『韓国の裏切り』の兆候として本国に送ったに違いない」

 ただ、何と言われようと韓国は中国ににじり寄らざるを得ない。韓国人の対中恐怖症は日本人には想像しがたい。韓国に反米デモや反日デモはあっても、反中デモはほとんど起きない(注1)。高麗にしろ、李氏朝鮮にしろ、朝鮮半島の国家は国境を接する中国から度重なる侵略を受け、中華帝国の宗属国となることで生き残って来た。第2次世界大戦後、半島の南半分に生まれた韓国は、北朝鮮という緩衝地帯によって中華世界から離れ、初めて海洋勢力の一員に変身できた。

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「中国ににじり寄る韓国」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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