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年齢執着型男性は、もはや絶滅種

その鈍さが深刻な事態を招きかねない

2012年1月13日(金)

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 年配男性が多い職場で、うまく立ち回る女性がいて、腹が立ちつつ自分はそうできません。どう存在すればいいのでしょう?(30代女性)

 遙から

 ある大学の同窓会総会にゲストで招かれた。私はそこの卒業生ではないが、卒業生でかつてテレビ局で活躍した男性、今現在活躍している女性たちがステージに立った。

 かつて共演した男性司会者が私を紹介する。
 「それでは本日のゲストを、年をとったほうから紹介します」

 若い女性には「それではフレッシュな〇〇さん」と紹介する。私に「どうぞピチピチした若い女性をいじめてください」と話をふる。

 トークショーの最初から最後まで、その軸は“年齢”だ。若さこそ価値があり、ベテランは老害、と、私よりずっと年食った男が吐く。

 だったらテメエが最初に退場しろ、と、言うまでもなくすでに“かつて”の人だ。

 ああそうだった、こうだった、ずっとこうだった…と、私はノスタルジックでビターな感覚を思い出した。かつてこういう価値観の男性ばかりの中で仕事をしてきた。こういう“ババア”扱いは25歳からすでに始まった。懐かしく思い出すということは、そういう男性が減った、ということでもある。少なくとも公の場では。年齢執着型男性は絶滅危惧種ではなく、もはや絶滅種になった。

 トークショーが終わり、フレッシュでピチピチしたほうの女性ではなく、私の前に男性客たちの名刺交換の長蛇の列ができた。どれほど司会者がババアとこき下ろそうが、客は“フレッシュ”に浮かれない。

 目前の客との価値観すら共有できていないのだから、“かつて”の人らしい。

 あ、それと、ババア扱いには男の嫉妬も混ざっている。面倒だが、それも慣れている。

 年配男性の名刺を見ると銀行・商社・ホテルの役員だ。著名ビルのオーナーもいる。さすがの男性たちも同窓会で揃うと学生ノリになり、キャッキャと不思議に可愛く見える。

 こういう“総会”と名のつくものは男性たちの社交界だと実感する瞬間だ。女性たちはまず少数派であり、男性ほどは出世せず、ひっそりと参加しているように見える。

 若い男性たちがこれまたキャッキャと私を囲む。「元気が出ました。もう一回教えてください。僕たちへのメッセージを。若い男は何が必要なんでしたっけ?」と、紙とペンを持っている。

 どうすれば関西が元気になるか、が、その日、本来のトークテーマだった。その時の私の発言だ。

 私は、「関西が元気になるには女性が元気でないといけない。女性が元気になるにはまず、年配男性は金出して口出さないこと。女性にとって年配男性の価値は“金”につきる。若い男性は、金がないのだから元気と勇気と度胸で勝負してほしい」と発言した。

 笑いを狙ったつもりだった。

 「元気と、勇気と、もひとつ、なんでしたっけ?」とマジ顔で私に聞く男性はペンを走らせながら、「僕、本当に元気が出ました」と言ってくれる。

 「こいつ失恋したんです」と同窓生が笑う。

 「どうも女性は深い関係を希望していたようですが、僕はそれに気づかず、逃げられてしまいました」とフラれた男性が言う。

 「女性には積極的に行くべきだったのですね」。
 そう結論づけ、納得しようとする男性に私は待ったをかけた。

 「それは違う」

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「年齢執着型男性は、もはや絶滅種」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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