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加速する円高・ユーロ安は輸出企業の採算悪化を招く。アジアなどに飛び火すれば景気回復の大きな足かせとなる。妙手がない中で、日本企業の国内回帰の動きも出てきた。

 「円高への抵抗力を何とかしてつけていかないと、国内は根こそぎの空洞化になってしまう」(志賀俊之・日本自動車工業会会長、日産自動車最高執行責任者)

 「欧州経済の混乱がアジア経済に影響してくるのかもしれない」(三菱重工業の大宮英明社長)

 1月5日、東京都内で開かれた経済3団体の賀詞交換会。集まった企業経営者は口々に、混乱する欧州経済への不安を漏らしていた。

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 欧州の債務問題は2012年も世界経済の大きな懸念材料になる。端的に示しているのが外国為替相場だ。日本が年末年始の休暇中、ユーロは海外で1ユーロ=100円の節目を割り込み、2000年12月以来、約11年ぶりの円高・ユーロ安水準に落ち込んだ。今月6日のニューヨーク市場で98円も下回ると、週明け9日にはシドニー市場で、97円30銭前後までユーロは急落した。

 足元のユーロ売りは、欧州の債務問題が年明けから新たなヤマ場を迎えるにもかかわらず、「解決の糸口が全く見えないまま越年したことへの不信感」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の塩入稔・外貨商品課長)の表れだ。

 イタリアを中心にユーロ圏の国債の大量償還が今後相次ぐうえ、米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が表明したユーロ圏15カ国の格下げ検討に対する警戒感も募る。

 金融機関は、保有するユーロ圏の国債に対する含み損発生のリスクなどから自己資本の不足が指摘され、増資の必要性が叫ばれる。しかし、伊最大手行のウニクレディトが4日に打ち出した増資計画は市場から評価されず、ユーロ売りを促した。金融システムへの不信感は解消されづらい。

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