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台湾総統選、勝因は「同日選」だった

馬英九氏が仕掛けた「地上戦」への転換

2012年1月20日(金)

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日台関係を研究している拓殖大学の丹羽文生・海外事情研究所助教に、先の台湾総統選挙について聞いた。同氏は「同日選」とすることで国民党が持つ地方組織が有効に機能した、と見る。

(聞き手は森 永輔)

:台湾総統選挙で馬英九氏が再選した。勝因は何か。

丹羽 文生(にわ・ふみお)氏
(拓殖大学・海外事情研究所助教)

1979年、石川県生まれ。東海大学大学院政治学研究科博士課程後期単位取得満期退学。衆議院議員秘書、作新学院大学総合政策研究所研究員を経て、2009年から拓殖大学海外事情研究所助教。永達技術学院訪問学者(台湾屏東県)なども務める。専門は政治過程論、日台関係論。(写真/大槻 純一、以下同)

丹羽:総統選と立法院(台湾の国会に相当)の選挙を「同日選」にしたこと、そして1月半ばに実施したことが大きい。選挙の日程は中央選挙管理委員会が決定する。同委員会は政府の一つの機能だが、馬氏が率いる国民党が実質的にコントロールしている。

 台湾は、日本とほぼ同じ小選挙区比例代表並立制を取っている。このため各政党、候補を支える地方組織が重要な役割を担う。国民党は、馬氏の対立候補である蔡英文氏が率いる民進党に比べて、地方組織が磐石だ。同日選とすることで、この組織が総統選に有効に機能した。

 単独で行う従来の総統選は、言わば“空中戦”だった。候補者の持つイメージなどが重きをなした。しかし、同日選とすることで、今回は“地上戦”となった。組織力の戦いとなった。

 加えて、1月半ばを投票日に選んだことも大きい。春節(旧正月)前のこの時期は、国民党を支持する「台商」(大陸にいる台湾系企業家やビジネスパーソン)が台湾に帰省しやすい。この数は20万人と言われている。

 一方、台北で働く南部地区出身者にとっては帰省して投票に行くことが難しい時期に当たる。南部は民進党の地盤だ。大学生は期末試験の最中だ。ビジネスパーソンは春節の休み前で忙しい。ある台湾人は「この忙しい時に選挙なんて」と言っていた。南部における投票率を地域別に見ると、高雄市以外のすべてが平均以下となった。

蔡英文氏はカリスマ性に欠けた

:蔡英文候補に敗因はないのか。

丹羽:2つある。1つは、政策が揺れたこと。選挙戦が進むにつれて独立志向を緩め、格差や失業など国民の暮らしの問題に重点を移した。

 独立問題は、台湾の人々の主たる興味になっていない。台湾は民主化を進め、経済的にも豊かになった。かつての日本と同じで、それにつれて“政治の季節”が終わった。

 蔡氏はこれに気づいて、日々の暮らしに関する政策を訴え始めた。しかし、この揺れが、台湾独立を強く支持する民進党支持者の反感を買った。彼らが馬氏に投票したとは思えないが、棄権した可能性はあるだろう。

 もう1つは、蔡氏がカリスマ性に欠けていたこと。確かに優秀な人だが、普通の人だ。

 以上の要因がからまって、選挙前の予想を大きく上回る80万票差がついたのだと思う。

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「台湾総統選、勝因は「同日選」だった」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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