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欧州債務問題の教訓~低金利の間に財政再建を

カギを握る経常収支の黒字維持

2012年1月25日(水)

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 ギリシャの債務危機を解決する策が実行されないまま、欧州債務危機は深刻さを増している。大手格付機関は1月に、ユーロ圏9カ国が発行する国債の格付を引き下げた。続けて、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の格付も引き下げた。

 これにより、欧州各国が2011年から議論してきた債務問題に対する総合対策の実効性が低下する懸念が高まっている。財政危機国に対する支援スキームは、見直しを余儀なくされるだろう。また、各国は財政緊縮を強めざるを得なくなる。世界経済のさらなる減速が懸念される。

 金融市場において、投資家のリスク回避指向が強まっている。リスクフリー資産に投資されるグローバルマネーの一部は、米国債のみならず日本国債にも向かっている。欧州債務問題が発生するまで、これらの資金はドル、ユーロを中心とする通貨に配分されるのが一般的であった。だが、ユーロの安定性に対する信認が低下するなか、円の保有割合を高めて、通貨をより広く分散させる動きは当面続くと思われる。

ユーロ圏で、国債の信認における国ごとの格差が拡大

 統一通貨ユーロは、まず11カ国が1999年1月に導入した。その後もユーロ圏は拡大し、現在は、17カ国が導入している。欧州債務危機が起こるまで、導入国の長期金利は差が縮まる方向にあった。しかし、今の各国の長期金利は、各国の財政状況を反映して大幅な格差が生じている。ユーロ導入国の財政を統合することの難しさが表面化するなか、財政赤字の拡大がユーロ崩壊を引き起こすとの悲観的な見方を反映していると見られる。

 もっとも、各国が財政政策の自由を持っている以上、ある程度の金利格差が生じることはやむを得ない。「人為的に導入した統一通貨によって、財政リスクまでも一定範囲に抑制する」という当初の期待は、楽観的に過ぎたと言えよう。むしろ、ユーロ導入以前のように、ある程度の各国金利差が存在することが自然な姿だ。「統一経済圏」という過度な期待が失われた今、あるべき国債金利格差を市場がどのように評価すべきか、という論点が重要となる。いったん生じた格差は、財政統合に向けた議論が進まない限り、解消しないだろう。

 ただし、過度な金利上昇は、財政を通じた各国の経済運営にとって大きな制約要因となる。国債利回りは各国の調達コストを示す。このため、経済成長率より高い国債利回りによる資金調達は、利払費の膨張によって財政赤字を拡大させることになり、長期的に財政を維持できなくなるリスクを高める。これまでの名目成長率を見れば、市場で意識されるように7%超の国債利回りが続く状況は、国債のデフォルトに対する懸念を高めることになる。短期的には財政を維持できるかもしれない。だが、長期的に見れば財政発散の可能性を高める。

ソブリンリスクとは何か

 国債のデフォルト(債務不履行)は、民間企業のデフォルトとは異なる。民間企業の場合には、資金繰り難からデフォルトが発生する。破綻した場合には、債権者が当該企業の財産を処分して債権の一部を回収する。

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