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東電、安定は束の間の夢

2012年1月31日(火)

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1兆円の公的資金注入、電気料金値上げで東電に薄日が差す。裏には原発事故の巨額の除染・解体費用と発送電分離がある。値上げなどに批判は強く、再度の危機の可能性は消えない。

 「東電(東京電力)債は今、かなり買われ始めた。うちも(投資を)考えていいかもしれない」

 大手銀行のある債券ディーラーは東電の社債の値動きを注視し始めたと打ち明ける。もともと保有が少なかったこの銀行が興味を持ち始めたのは「(政府が)延命に動き出した」と感じたからだった。

数兆円の除染・解体費用が直撃

 そこで見えたのは、東電再生のため今年3月策定される総合特別事業計画に絡んで昨年末以降、政府筋から次々と「東電に有利な支援策」(バークレイズ・キャピタル証券のクレジットアナリスト、江夏あかね氏)が流されたことだった。原子力損害賠償支援機構による1兆円の公的資金注入などの内容は、債務超過の恐れも指摘された東電への見方を一変させた(左表参照)。

 裏側にあったのは何か。1つは、「東電の危機回避のために、資金が必要になっている」(債券市場関係者)こと。特に原発の除染・解体への動きが次第に見え始め、そのコストと事務作業を誰が負担するかが改めて認識され始めた点が大きい。

 原発の解体は「事故のない通常の状況でも1基数百億から1000億円かかる」(エネルギー経済研究所の村上朋子・研究主幹)が、今回は1ケタ上の費用がかかるのは確実。東電の見積もりでは、実際の除染・解体は20年以上先になると見られるが、問題はその会計上の費用をいつ、どのように見積もり計上するか。仮に2012年度か2013年度に計上すると、国の支援は得られるものの同じく数兆円に上ると見られる損害賠償とは別の巨額負担となり、債務超過の恐れが再燃することになる。

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「東電、安定は束の間の夢」の著者

山根 小雪

山根 小雪(やまね・さゆき)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション、日経エコロジーを経て、2010年1月から日経ビジネス記者。エネルギーを中心に、自動車や素材など製造業を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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