「時事深層」

若者を魅了する「築50年団地」

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2012年2月2日(木)

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全国に約77万戸あるUR都市機構の公団住宅、その再生が京都市伏見区で始まった。民間の建築事務所を起用し、団地に縁の薄い20〜30代の若者の取り込みを狙う。UR物件の多くは築50年以上。今後迫られる住宅ストック再生の試金石でもある。

 まずは、下の写真をご覧いただきたい。部屋に足を踏み入れると、無造作に白く塗られた壁面が目に飛び込んでくる。天井の配管類はむき出し。浴室はシャワーのみ。玄関もなく、代わりに、今時珍しい土間が部屋の両端に広がっている。

[1]京都市伏見区にあるUR都市機構の「観月橋団地」。(写真:山田 哲也)
[2]1戸ずつ、職人がリノベーション工事を施す(写真:山田 哲也)
[3]再生が完了した部屋の1つ。玄関の代わりに部屋の両端に広がる土間がある。むき出しの壁と天井が印象的(写真:山田 哲也)

 1LDKで37平方メートル、家賃は月額4万9500円。広いわけでもなければ、家賃も相場並み。だが、室内の個性は際立っている。

ターゲットは20〜30代

 この部屋は、築50年以上の団地の一部屋を改修(リノベーション)したものだ。ほかにも、アイランドキッチン(室内で島のように独立したキッチン)を配した1LDKタイプ、畳部屋のある家族向けの2LDKタイプなど、6つの特徴ある部屋が用意されている。

[4]アイランドキッチンを配した部屋も。外観からは想像できないしゃれた間取りになっている(写真:山田 哲也)

 京都市伏見区で都市再生機構(UR都市機構)が進める「観月橋団地再生計画」。1960年代に供給された団地内の約540戸の住居を400戸に減らし、そのうち60戸の空き部屋を「再生」させ、リノベーション物件として貸し出すプロジェクトを進めている。

 観月橋団地は、最寄り駅まで10分足らず。駅前には商店街もある。立地条件は申し分なく、家賃も周辺相場よりは安いが、いかんせん建物が古い。

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著者プロフィール

蛯谷 敏(えびたに・さとし)

2000年、日経BP社入社。通信業界誌『日経コミュニケーション』記者を経て、2006年より日経ビジネス記者。情報通信、ネット、金融、不動産、政治、人材など色々担当。「一極集中」から「多極分散」へと移り変わる様々な事象をテーマに日々企画を考えている。

篠原 匡(しのはら・ただし)

昭和50年東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、日経BP社に入社。以後、主に「日経ビジネス」の記者として活動している。趣味は競艇と出張、庭いじり。著書に『腹八分の資本主義』(新潮社)、『おまんのモノサシ持ちや』(日本経済新聞出版社)がある。



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日経ビジネス “ここさえ読めば毎週のニュースの本質がわかる”―ニュース連動の解説記事。日経ビジネス編集部が、景気、業界再編の動きから最新マーケティング動向やヒット商品まで幅広くウォッチ。

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