「スマートフォンビジネス最前線」

現代版“三方よし”のスマホ共通ポイント

「店に行くだけで30円」のワケ

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2012年2月3日(金)

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日経デジタルマーケティングは、書籍『スマートフォン巧者のマーケティング術』を発行した。このコラムでは、その関連記事を紹介していく。第2回は、流通大手がこぞって導入するスマートフォン共通ポイントの現状について。

 近江商人の心得として、「三方よし」という言葉がある。売り手よし、買い手よし、世間よし。そんな商売を心がけるべしというものだ。ここで紹介するサービスは“現代版三方よし”と表現しても、全くの見当はずれではないだろう。

 提供するのは、社員10人ほどのベンチャー企業スポットライト(東京都港区)。同社が運営するスマートフォン共通ポイントサービス「スマポ」は、マルイ、ビックカメラ、大丸、ユナイテッドアローズ、エイチ・アイ・エス(HIS)といった大手企業の店舗で続々と採用されている。

 店舗がポイントを付与して集客するのは一般的な手法だが、スマポは利用者が店舗を訪れるだけでポイントがもらえる。それが最大の特徴だ。だから買い手よし。

 「まず新規顧客を開拓したかった。スマポに参加する他店のお客様で、ユナイテッドアローズになじみの薄かった方にも来店するような人の流れに期待が持てる」

 スマポ導入企業の1社、ユナイテッドアローズの経営企画室広報CSRチームの前田由香里マネジャーの言葉にあるように、同社はスマポを新たな集客手段と位置付ける。丸井グループは、プライベートブランド商品の販促を狙い、その売り場を訪れた人にポイントを付与するよう設定した(関連記事)。だから売り手よし。

 ネット上にある情報を契機にリアル店舗へ集客する「O2O(オンライン to オフライン)マーケティング」が脚光を浴び始める中、スマポは、そのキラーともなりそうなサービスなのである。

 店舗には、もう1つ大きなメリットがある。POS(販売時点情報管理)データをいくら精緻に分析したとしても、店舗に入って商品の近くまで行ったけど買わなかった人の割合までは分からない。スマポなら実は、それが把握できる。ネット通販サイトと同様な、精緻な分析がリアル店舗で実現できる。

スマートフォン共通ポイント「スマポ」を使うと、ECサイト同様の効果測定ができる

 ネット通販サイトの分析は一般的に、「サイト」という売り場への来訪者数や来訪頻度、購入数や購入者属性、来訪者に対する購入者の比率、といった様々な指標を基に実施していく。これらデータを使ってサイトを改善し、売り上げを伸ばす施策をしていくわけだ。

 例えば、サイト来訪者に対する商品購入者の比率、いわゆるコンバージョン(CV)率が1%であれば、それを2%に上げることで顧客獲得単価は2分の1に下がる。

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著者プロフィール

杉本 昭彦(すぎもと・あきひこ)

日経デジタルマーケティング副編集長。「日経ネットナビ」(1996年〜2004年)、日本経済新聞社編集局産業部(2005年〜2007年)などでインターネット業界の取材を長年続け、2007年の「日経ネットマーケティング」(現日経デジタルマーケティング)創刊時より現職。執筆、編集活動に加えて、本誌公式Facebook、Twitterを担当して、実践の日々。



このコラムについて

スマートフォンビジネス最前線

爆発的な普及を見せるスマートフォンが一般消費者のライフスタイルばかりでなく、企業のマーケティングも大きく変え始めている。手のひらにあるスマホを使っているうちに自然と自社の店舗に誘導したり、スマホの画面上でモノを販売したり、顧客とのブランディングに活用したり…。使い方はさまざまだが、既に「実利」を手にする企業も増え始めている。それら企業の活用法に迫る。iPhone対Androidシェア争いのカギを握る新しい広告ビジネスの現実や、スマホを巡る米国生まれの新技術の日本市場参入なども紹介していく。

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