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ダボスの楽観は嵐の前触れ

  • ロンドン支局 大竹 剛

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2012年2月6日(月)

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今年の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)は、楽観ムードに包まれていた。だが、エリートたちが共有した “ダボス・コンセンサス”は、あまり当てにはならない。欧州にある世界経済の「時限爆弾」の処理は遅れ、低成長が長期化する恐れもある。

 「ダボス・コンセンサス」――。毎年、スイスの雪山で政財界のエリートたちが共有する世界経済の見方をそう呼ぶとしたら、今年のそれは「楽観」だ。

 1月25日から5日間、スイスのダボスで世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)が開催された。サブプライムローン問題が顕在化してから4年半が過ぎたが、世界経済は今もユーロ危機に揺れ続けている。それでも、米シティグループのビクラム・パンディットCEO(最高経営責任者)が、「前向きな政策が数多く実施され、市場心理は改善した」と発言したように、楽観ムードが会場を覆った。

 彼らの見方が正しければ、今年の世界経済には希望が持てる。だが残念ながら、ダボス・コンセンサスはハズレが多い。リーマンショック直後の2009年、「世界恐慌が来る」と絶望感が会場を支配したが、年半ばに景気は底を打った。昨年は危機を乗り切ったとの安堵感が広がったが、ユーロ危機は深刻化し、格差解消を求めるデモが頻発して社会不安が増大した。

 楽観できる根拠はある。ダボス会議が開催された1週間、ユーロは対ドルで2.6%上昇し、イタリア10年物国債の利回りも危険水準とされる7%を大きく下回る6%前後で推移した。

 市場の緊張が和らいだのは、昨年12月に欧州中央銀行(ECB)が実施した、銀行に対する3年物の資金供給の効果だ。ECBのマリオ・ドラギ総裁は、銀行間取引は十分に復活していないと警戒しつつも、「大規模な信用収縮は避けられた」と自信を見せた。

 危機の震源であるギリシャ問題でも進展がある。ギリシャと民間金融機関の債務削減交渉は、合意が近いとされる。ユーロ圏の財政規律を強化するための新条約「財政協定」も、1月30日の欧州連合(EU)首脳会議で、英国とチェコを除く25カ国が3月に調印することが決まった。米国にも景気回復の兆しが見え、ティモシー・ガイトナー米財務長官は、「今年の米国経済は2~3%の成長をするだろう」と展望した。

“ドイツ流”に辛辣な批判相次ぐ

 だが、歴史家で金融に詳しい米ハーバード大学のニーアル・ファーガソン教授は、「欧州のリスクは明らかに過小評価されている」と警鐘を鳴らす。そのリスクを如実に示すのは、ユーロの対ドル為替レートでも、伊国債の利回りでもない。実は、ポルトガルの10年物国債利回りである。

 同国債利回りはダボス会議の期間中に過去最悪に達し、30日には17%を突破した。ポルトガルは欧州金融安定基金(EFSF)と国際通貨基金(IMF)から金融支援を受けており、利回り上昇が資金繰りを即座に悪化させることはない。投資家が懸念しているのは、ポルトガルもギリシャ同様に債務削減が迫られる可能性だ。民間投資家に損失を強いる手法は、「ギリシャに限った話」(欧州委員会の経済・金融担当のオリー・レーン副委員長)。その言葉を、投資家は完全に信じられずにいる。

 民間投資家が債務削減に応じても、最終的にギリシャはデフォルト(債務不履行)するとの見方も根強い。ヴォルフガング・ショイブレ独財務相は、「ギリシャがデフォルトするとは思わない」と楽観する。だが、米シカゴ大学のラグラム・ラジャン教授は、「民間が損失を被るだけでは不十分。ECBもギリシャの債務削減に応じ、痛みを分かつ必要がある」と言う。

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