総合商社の海外工業団地事業が空前の活況に沸いている。“六重苦”を背景にした中小企業の海外進出が、それに拍車をかける。利益還流によって、国内外ともに成長を促す枠組みが欠かせない。
「2012年は販売が落ち込みそうです」
そうは言うものの、住友商事の須之部潔・海外工業団地部長の表情は、決して暗くない。言葉とは裏腹に、同社が土地開発から販売、運営までを手がける海外工業団地事業は、かつてない活況に沸いているためだ。
住商の近年の海外工業団地の販売実績は、販売代理を手がける地域も含め、インドネシアやベトナムなど東南アジアで2009年には14ヘクタールと過去最低に落ち込んだ。しかし、2010年には一転して過去最高の80ヘクタール、さらに2011年にその3倍弱の225ヘクタールまで急拡大している。

2012年に販売が落ち込む背景も、急増する需要に対して用地開発が追いつかない「弾不足」の側面が強い。むしろ、あまりの活況に土地価格が急騰し、開発側に二の足を踏ませているような状況だという。
こうした地域では、自動車や電機などの大手メーカーが第2、第3の工場の増設に動いている。地域によってはこうした輸出型産業に加え、地域需要を取り込むための食品や生活品など内需型メーカーの工場進出も増えているという。
また、海外に初進出するような中堅、中小の製造業が新たな顧客層として厚みを増している。団地内で1つの工場に複数の中小企業が入居する「アパートメントファクトリー」も、希望企業が殺到する状況だ。
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