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家電ニッポン、崩落

2012年2月13日(月)

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家電メーカー各社が2012年3月期に見込む最終赤字は巨額だ。パナソニックもソニーもシャープも、構造改革が後手に回った。もやは後はない。巨額赤字を復活の原動力としなければ生き残りの道はない。

 シャープは2月1日、2012年3月期に2900億円の最終赤字に沈む見込みだと発表した。創業以来、最悪の業績予想を公表した翌朝、単独インタビューに応じた片山幹雄社長は、「国内テレビ需要の激減が(業績悪化の)引き金だ。私は評論家ではないが、エコポイントなどで需要を先食いした結果、市場が予想以上に冷え込んだということだろう」と力なく話した。

 世界の薄型テレビ市場でシャープはシェア6位だが、国内では首位を誇る。他社に先駆けて液晶テレビを商品化するなど、一貫して国内市場を引っ張ってきたが、国内依存度が高いだけに、冷え込んだ時の反動は大きい。

 昨年7月に地上波が完全デジタル化した後、液晶テレビの売れ行きに急ブレーキがかかった。「(成長を見込んでいた)中国市場の販売も悪化している。ダブルパンチに見舞われた」(片山社長)という。

 他の家電メーカーの連結業績も惨憺たるもの。パナソニックは2012年3月期に最終損益が7800億円で、過去最悪の赤字に落ち込むと予想する。ソニーも2012年3月期に2200億円の赤字を見込む。

 各社とも抜本的な構造改革を断行しなければ、後はない。

テレビの不振が元凶

 3社に共通するのは、主力製品であるテレビ事業の不振だ。液晶テレビの世界的な価格下落が止まらず、37~42型は4万円前後まで下がった。収益性が悪化したテレビ事業に代わる新規事業は育たず、各社の業績を直撃している。

 パナソニックは窮地から脱しようと、液晶とプラズマのパネル工場を5カ所から2カ所に集約し、グループ全体でこの1年間に人員を2万7000人減らした。並行して、省エネ製品を家庭やビルに一括納入する「まるごと」事業を反転攻勢の原動力に位置づけ、新規受注を急ぐが、テレビ事業の落ち込みをカバーするには至っていない。

 重点投資する環境・エネルギー分野では、マレーシアに太陽電池工場を新設し今年12月の稼働を目指す。大坪文雄パナソニック社長は、「創業100周年を迎える2018年に電機業界で1番の『環境革新企業』になる」と宣言するが実現の保証はない。

 外資系証券会社のアナリストは、「太陽電池は明らかに供給過剰の状態にあり、価格下落が進む。今さら工場を新設して勝算はあるのか」と手厳しい。

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「家電ニッポン、崩落」の著者

吉野 次郎

吉野 次郎(よしの・じろう)

日本経済新聞社記者

1996年、日経BPに入社。2007年から日経ビジネス編集部で電機業界や自動車業界、企業の不祥事を担当。2015年4月から日本経済新聞社電子編集部に出向中。産業、経済事件を中心に取材・執筆する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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