政府と東京電力が公的資金注入後の経営権を巡って攻防を繰り広げている。経営の独立を訴える東電に枝野幸男・経済産業相は一歩も引かない構えだ。舞台裏をのぞくと、橋下徹・大阪市長も含む関係者の錯綜する思惑が渦巻く。
それは、一見、手打ちの儀式のようだった。
今月3日、東京電力の西澤俊夫社長は原子力損害賠償支援機構の運営委員会に出席。4月に予定する平均17%の企業向け電気料金引き上げの根拠を説明し、発表前に機構に値上げを説明しなかったことを陳謝した。
「総合特別事業計画に関わる東京電力の経営判断は今後、前もって報告してほしい」
機構の下河辺和彦・運営委員長はこうクギを刺しながらも、賠償請求の事務処理が進んだことなどを評価。東電が求めていた6900億円の追加の賠償資金援助を同日付で枝野幸男経済産業相に申請した。東電の2011年4〜12月期決算の発表期限は今月14日。枝野氏がその前に認定することにより、東電はひとまず債務超過に陥る事態を避けられる見通しだ。
当面の経営危機回避へ足並みを揃えたかのように見える政府と東電。しかし、東電問題に関与する経済産業省関係者は疲れ切った表情でつぶやく。
「東電と機構、政府内などの攻防は激化している。総合特別事業計画の策定を控え、バトルはこれからが本番だ」
東電と機構は福島第1原子力発電所事故の賠償への公的支援の前提として3月末までに総合特別事業計画を作り、経産相の認定を受ける必要がある。
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