印刷ページ

 九州大学発ベンチャー企業が開発した「風レンズ風車」。羽根の周りを囲むリングが風を集めることにより、同じ風速であれば、従来の小型風力発電機に比べて2〜3倍の発電量を得られるのが特徴だ。環境規制によって大型風力発電機の建設に歯止めがかかる日本で、新たな電源として関心が高まっている。

 「自然エネルギー普及のカギを握るのは発電コストだ。我々はこの点に照準を合わせ、『風レンズ風車』を開発した。今後、年間1000基の販売台数を達成して、販売価格を今の半額にし、普及に弾みをつけたい」

 こう意気込むのは、九州大学発のベンチャー企業、ウィンドレンズの高田佐太一社長だ。

九州大学発のベンチャー企業、ウィンドレンズの高田佐太一社長

 風レンズ風車は、風車の3枚の羽根の周りにリング状の「風レンズ」を取り付けた小型風力発電機。レンズが光を屈折させて太陽光を集めるように、リングが風を集めることから、こう名付けた。同じ風速であれば、従来の小型風力発電機に比べて2〜3倍の発電量を得られるのが特徴だ。

 現在の販売価格は1基当たり300万〜400万円。これまでの販売台数は約60基で、まだ多くはないが、このところは国内外を問わず問い合わせが相次いでいる。高田氏は数年内に量産化にこぎつけたいと考えている。

現在九州大学伊都キャンパスに設置されている「風レンズ風車」。高さは13.4メートル、風車本体の直径は3.4メートル、定格出力は5キロワット

製品なき有望市場? 小型風力発電機

 風力発電機は出力規模によって、大型風力発電機と小型風力発電機に大別される。現在、大型風力発電機は世界的には2500キロワットが中心で、風車の直径は30メートル以上。一方、小型風力発電機は風車の直径が7メートル以下と定義されており、出力規模は20キロワット以下だ。

 風力発電の発電量は、風車の半径の2乗、風速の3乗に比例して増大する。半径が2倍になれば発電量は4倍になる計算だ。つまり、大型になればなるほど発電コストが割安になる。そのため、風力発電機は年々大型化する傾向にあり、欧州、米国、中国を中心に大型風力発電機の導入が加速している。

ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。



関連記事

コメント

参考度
お薦め度
投票結果

注目コラム〜IT・革新のお薦め

記事を探す

読みましたか〜読者注目の記事