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発電量3倍、風を集めて発電する小型風力

九州大学発ベンチャーが開発した「風レンズ風車」

2012年2月20日(月)

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 九州大学発ベンチャー企業が開発した「風レンズ風車」。羽根の周りを囲むリングが風を集めることにより、同じ風速であれば、従来の小型風力発電機に比べて2~3倍の発電量を得られるのが特徴だ。環境規制によって大型風力発電機の建設に歯止めがかかる日本で、新たな電源として関心が高まっている。

 「自然エネルギー普及のカギを握るのは発電コストだ。我々はこの点に照準を合わせ、『風レンズ風車』を開発した。今後、年間1000基の販売台数を達成して、販売価格を今の半額にし、普及に弾みをつけたい」

 こう意気込むのは、九州大学発のベンチャー企業、ウィンドレンズの高田佐太一社長だ。

九州大学発のベンチャー企業、ウィンドレンズの高田佐太一社長

 風レンズ風車は、風車の3枚の羽根の周りにリング状の「風レンズ」を取り付けた小型風力発電機。レンズが光を屈折させて太陽光を集めるように、リングが風を集めることから、こう名付けた。同じ風速であれば、従来の小型風力発電機に比べて2~3倍の発電量を得られるのが特徴だ。

 現在の販売価格は1基当たり300万~400万円。これまでの販売台数は約60基で、まだ多くはないが、このところは国内外を問わず問い合わせが相次いでいる。高田氏は数年内に量産化にこぎつけたいと考えている。

現在九州大学伊都キャンパスに設置されている「風レンズ風車」。高さは13.4メートル、風車本体の直径は3.4メートル、定格出力は5キロワット

製品なき有望市場? 小型風力発電機

 風力発電機は出力規模によって、大型風力発電機と小型風力発電機に大別される。現在、大型風力発電機は世界的には2500キロワットが中心で、風車の直径は30メートル以上。一方、小型風力発電機は風車の直径が7メートル以下と定義されており、出力規模は20キロワット以下だ。

 風力発電の発電量は、風車の半径の2乗、風速の3乗に比例して増大する。半径が2倍になれば発電量は4倍になる計算だ。つまり、大型になればなるほど発電コストが割安になる。そのため、風力発電機は年々大型化する傾向にあり、欧州、米国、中国を中心に大型風力発電機の導入が加速している。

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「発電量3倍、風を集めて発電する小型風力」の著者

山田 久美

山田 久美(やまだ・くみ)

科学技術ジャーナリスト

早稲田大学教育学部数学科出身。都市銀行システム開発部を経て現職。2005年3月、東京理科大学大学院修了(技術経営修士)。サイエンス&テクノロジー、技術経営関連の記事を中心に執筆活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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