「時事深層」

ミャンマー発、世界物流革命

バックナンバー

2012年2月21日(火)

1/3ページ

印刷ページ

悪名高きマラッカ海峡を通らずして、東南アジアからインド、中東への物流網が通る――。民主化で経済制裁の解除が進むミャンマーが、世界から注目されている。中国や米国も触手を伸ばすこの「未来の要衝」で、日本が出遅れることは許されない。

 世界がミャンマーに熱い視線を送っている。

 およそ6000万人の人口は低賃金で、今後も増加が見込める。銅やニッケル、天然ガスといった豊富な鉱物資源もある。それらを後ろ盾とした経済成長が期待できるだけに、混迷が続く世界経済の中で、注目が集まる。

 国家レベルで民主化へ向けた改革が進展し、欧州連合(EU)や米国は、軍事政権時代から科している経済制裁の一部解除を始めている。各国政府の要人が昨年来、相次ぎミャンマーを訪れて秋波を送っており、日本からも今年1月中旬に枝野幸男・経済産業相が訪問した。

経済成長だけでない潜在力

 だが、ミャンマーへの関心が高まっているのは、経済成長を自国経済に取り込みたいという動機だけではない。

 アジア全体を俯瞰して見ると、地政学上の要衝であることが分かる。世界が再評価する中で、同国の新たな側面が浮かび上がっている。

 その象徴となるのが、ミャンマー南部に位置する港町、ダウェイである。同国の港湾としては、ヤンゴン近隣のヤンゴン港およびティラワ港が有力で、現在のダウェイは中堅港の域を出ていない。しかし、地理的条件から見た潜在力は極めて高い。

画像のクリックで拡大表示

 ダウェイ港は国境を挟んで、タイの首都バンコクから陸路で西にわずか300kmの距離にある。同時にその西側にはアンダマン海、ベンガル湾そしてインド洋が広がり、海を挟んでインドと向かい合う形になる。

 日本企業を中心に、製造業が集積するタイからの貨物船は、これまでバンコク近郊のレムチャバン港を出発し、南下してマラッカ海峡を経由。その後にインドや中東など西方に物資を輸送していた。しかし、バンコク〜ダウェイ間で陸路を使い、ダウェイ港から貨物船を出すことで、マラッカ海峡を経由しない物流ルートが生まれる。

ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。


関連記事

Keyword(クリックするとそのキーワードで記事検索をします)

Feedback

  • コメントする
  • 皆様の評価を見る
内容は…
この記事は…
コメント0件受付中
トラックバック
著者プロフィール

北爪 匡(きたづめ・きょう)

日経ビジネス記者。



このコラムについて

時事深層

日経ビジネス “ここさえ読めば毎週のニュースの本質がわかる”―ニュース連動の解説記事。日経ビジネス編集部が、景気、業界再編の動きから最新マーケティング動向やヒット商品まで幅広くウォッチ。

⇒ 記事一覧

記事を探す

読みましたか〜読者注目の記事

  • いま、歩き出す未来への道 復興ニッポン