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戦わずして転んだソニー、復活の可能性はあるか

『さよなら!僕らのソニー』著者、立石泰則さんに聞く

  • 黒沢 正俊

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2012年2月27日(月)

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 ソニー、パナソニックの巨額赤字決算が明らかになるなか、『復讐する神話 松下幸之助の昭和史』でデビューして以来、日本の電機メーカーを追いかけてきたノンフィクション作家、立石泰則さんの新作『さよなら!僕らのソニー』(文春新書)が話題となっている。同書出版後、ソニーのハワード・ストリンガー会長兼社長の退任が決まった。執筆の動機とソニーの今後について聞いた。(聞き手は黒沢正俊=日経BP出版局編集委員)

―― 冒頭でソニー製品との出合いを書くなど、従来のノンフィクション作品とは趣の異なる内容になっています。執筆の狙いについてお聞きかせください。

立石:「これまでいろんな節目で本を書いてきた。何を書こうかと迷っているとき、月刊文藝春秋から結論だけを書いてくれと言われた。そのタイトルが本書のタイトルになった。<僕ら>というのは多くのソニーファンのことで、その説明のために自分のソニー体験を書くことになった。長くノンフィクションを書いてきて、自分と対象者との関わりを書いたのは初めてだった。成功するか不安もあったが、結果は良かったのではないか。

 本書は、僕や本書の編集担当者、元になった原稿の担当デスクも含めてソニーファンが作った本だ。ソニーは特別な会社。創業者の井深大、盛田昭夫の夢や理想は、われわれ戦後の日本人の夢と理想であったという意味で、ソニーは一企業という存在を超えていた。そのソニーの復活を信じているから、厳しい内容にもなった。

 いつもは全体の構成を考えて執筆するのだが、今回は「ソニーらしさとは何か」「井深、盛田の創業者精神とは何か」「なぜソニー神話は崩壊したのか」「なぜ外国人社長なのか」といった編集者の質問に答える形で執筆した。だから時系列に沿った構成になっていない。

改革派幹部から「ありがとうございました」と電話

―― 2011年11月下旬に発売されたものですが、まるでソニーのトップ交代を予告したかのように、最近のソニーについて厳しい内容になっています。

立石:もっと早く出す予定だったが、執筆が遅れて、たまたま社長交代のタイミングと重なった。2月1日の取締役会でトップ交代が決まったが、その後、あるソニーの改革派幹部から電話があり、「ありがとうございました」と言われた。

 最初、その意味が分からなかったが、彼が言うには、「取締役会前に(ストリンガー会長兼社長の退任に向けて)社外取締役(日本人)を説得するとき、全員が立石さんの本を読んでいたので話が早かった。社外取締役はソニーの置かれている状況をよく理解していて、こちらの働きかけが特別な意図をもったものではないことをわかってくれた」と言われた。こちらはそんなつもりで書いたわけではないんですが。

 今回のトップ交代については、社外取締役はガバナンスを効かせたと思う。ストリンガー氏は続投するつもりだったと思うが、巨額赤字に社外取締役は続投はあり得ないと断を下した。ただ、ここに至るまでの7年間、社外取締役は何も手を打たなかった。長く取締役会議長の座にあった小林陽太郎氏(富士ゼロックス元会長)をはじめ、社外取締役の責任は重いと思う。

コメント10件コメント/レビュー

SONYはメーカーであらず金融業者。本業を疎かして完膚までに壊したのですから復活は奇跡でも起こらない限り絶対無理。他のメーカも似たりよったり。(2012/02/29)

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SONYはメーカーであらず金融業者。本業を疎かして完膚までに壊したのですから復活は奇跡でも起こらない限り絶対無理。他のメーカも似たりよったり。(2012/02/29)

マネジメントの研究でもっとも大事なのは「失敗の研究」だと思っている。前に向くためには後ろの視点を忘れないというのも皮肉なものだが、組織の反映とかマネジメントとかに必要であることを「そういうものだ」と思わなければいけない。良い状況であるほど忘れがちになる、と言うけれど。真摯に「この組織は何か。何に向かうべきか」を問うことをただ続けるいうのも忍耐力がいる。マネジメントリーダーには、これからは更に忍耐力を求めないと。(2012/02/29)

”僕らの”という最大限の賛辞を贈られる企業であることをSONYに今いる人は誇りに思い再起してほしいと願っています。私もSONYは大好きでした。でもお客さんを大切にしなくなってからのSONYは嫌いです。残念です。せっかく、CustomerをRepeaterにしてさらにSupporterにまでできる企業なのに。”僕らの”と言ってもらえるのはあとホンダかな。トヨタは言ってもらえないだろうなあ。(2012/02/28)

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