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日銀は円高を止められるのか

2012年2月27日(月)

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日銀による想定外の追加金融緩和が足元で円高を是正し株高を促した。だが、政治に屈した形で国債購入の増額を決めるなど財政規律も危ぶまれる。円の信認低下につながれば、将来の円暴落をもたらす判断にもなりかねない。

 バレンタインデーに思わぬ贈り物。日銀が14日に決めた追加的な金融緩和が市場関係者を喜ばせた。円安と株高を促し、20日には約半年ぶりに円相場が1ドル=80円に接近。日経平均株価も9500円台を一時回復した。

 これで超円高の局面は収束するのか。市場関係者の間では、日銀の政策変更を機に円高が一服し、目先は円安方向へ相場の流れが変わるとの指摘が出始めている。

 「今後は、低金利の円を売って、そのほかの通貨建て資産を購入して運用する『円キャリー取引』が活発化する」と語るのは、クレディ・スイス証券の深谷幸司チーフ通貨ストラテジストだ。今年半ばの6月に80円程度の円安が定着し、年末には85円程度まで円安が進むと予想する。

 日銀の政策決定が円売りを促したのは、国内外の経済環境の変調にも助けられた面が否めない。米国では雇用統計など景気の明るさを示す経済指標が相次ぎ、ドル高に加え、米株式相場がリーマンショック前の水準を回復するという追い風も吹いていた。

 財政危機に喘いできた欧州も、欧州中央銀行(ECB)による期間3年の固定金利オペの導入が金融不安を和らげていた。20日のユーロ圏財務相会合で、ギリシャ向けの追加金融支援が大筋合意に至ったこともあり、ユーロを積極的に売る動きは収まっている。

貿易赤字で円買い妙味後退

 国内では、昨年3月の東日本大震災の影響で貿易収支が2011年に31年ぶりの赤字に転落。今年1月も、単月ベースで過去最大の赤字(1兆4750億円)となった。経常黒字が常態化していた日本の円は、ただでさえ上昇しやすい主要通貨だったが、将来の経常収支の赤字化にも警戒感がくすぶり始める中で、最近は円買いの投資妙味も薄れていた。そこを日銀が後押しした格好だ。

 日銀は今回、市場の予想に反し、資産買い入れ基金を10兆円増額し、65兆円に膨らませた。増額の対象は長期国債に限定。買い入れ対象は残存期間1~2年の国債と定めているため、発表後は短期ゾーンの2年物国債の利回りが特に低下した。

 この2年債利回りの日米間格差と円の対ドル相場との連動性の高さが指摘されていた。格差が拡大すると、それにつれて円安・ドル高に振れやすい(下のグラフ)。

 意外感を持って受け止められた日銀の判断はもう1つ。金融政策を運営するための中長期的な物価安定の「メド」の導入だ。これは米連邦準備理事会(FRB)のやり方を強く意識したものだ。FRBは1月下旬、物価上昇率として年2%が「長期的なゴール(goal)」になるとの認識を示し、事実上のインフレ目標を設定した。

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「日銀は円高を止められるのか」の著者

松村 伸二

松村 伸二(まつむら・しんじ)

前日経ビジネス副編集長

日刊紙の日本経済新聞、リアルタイム速報の日経QUICKニュース(NQN)、テレビの日経CNBC、週刊誌の「日経ビジネス」と、日経グループの様々な媒体を渡り歩き、マーケット記事を中心に情報発信を続ける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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大量陳列、大量販売というのがある程度限界にきているのかなと思います。

松﨑 曉 良品計画社長