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会計士と税理士の“恩讐”の裏にあるのは…

オリンパス事件の原因が会計人を分裂させる

2012年2月29日(水)

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 オリンパス事件などで再び公認会計士への視線が厳しくなりつつある。会計士への税理士資格自動付与を止めようとの動きもある、会計士への逆風は何が原因なのか。自身も公認会計士で、監査と税務の現場に詳しい岡崎一浩・愛知工業大教授に聞いた。(聞き手は、田村賢司=日経ビジネス編集委員)

―― 今年、税理士法を2001年以来、10年ぶりに改正する動きがある。公認会計士資格を取得すると税理士資格も付与される現行制度の廃止を日本税理士会は訴えている。この動きを巡って会計士と税理士の間で“業際紛争”が起きようとしている。

岡崎:その通りだ。税理士は国内に約7万3000人、一方会計士は約3万人だが、その内、約2万人は税理士業務で主な収入を挙げている。元々、かなりの会計士は税理士と変わらないのが実態だが、ここに来てさらに変化が起きようとしている。

 1つは会計士数大幅増の動き。企業内で活躍する会計士を増やすことで、企業会計の質の向上などを図ろうとした金融庁の主導で、2007、2008年度にそれまでの2~3倍の公認会計士試験合格者が出た。この大量合格者は結局、一般企業には行かず、監査法人を目指したため、大量の就職浪人が出る結果となってしまった。

 このため、2009年度から再び減らしたが、それでも以前よりは2割以上多く、会計士の総数増が続いている。これが、会計では生活できない会計士を増やし、税理士との競合を激していくのではと見られ始めている。

 さらに、これが2つ目だが、監査業務自体が縮小している。大企業のグループ再編で上場子会社の非上場化が進み、独立系でもMBO(経営陣による企業買収)で株式市場から退出する企業が増えている。その上に不況で、内部統制監査などは監査報酬を削られ、結局、税理士業務に向かわざるを得なくなってきたという事情もある。

―― 会計士側から税理士の業務にさらに入っていく可能性があるということか。

岡崎:可能性として言えば、環太平洋経済連携協定(TPP)の成り行き次第では米国の公認会計士に、そのまま日本での業務が認められることもありえる。そうなったとしても外資系企業の一部に留まると思うが、公認会計士にとってはやはり市場の縮小だ。

 税理士側はこうした動きに危機感を募らせ、公認会計士になれば自動的に税理士資格も付与される現在の制度に異議を唱えようとしているのだろう。

 ただ、米国の主張である「日本の公認会計士は経済規模に比して少なすぎる」という点はおかしい。公認会計士の専門分野は、会計+上場企業財務開示で、税理士のそれは会計+税務。これまで述べた実態だけでなく、元々、同じ経理分野の仕事を規制が分けたとも言える。そう考えて会計士+税理士を会計人(アカウンタント)と捉えれば、現状は適正数だともいえるのではないか。

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「会計士と税理士の“恩讐”の裏にあるのは…」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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