スマホでラジオが聴ける「radiko.jp」が収益化に踏み出す。ソーシャルメディアとの連携でラジオを“見せ”て、広告を販売。長い低迷が続くラジオ業界復活の切り札になるか。
ラジオをパソコンやスマートフォンで聴けるサービス「radiko.jp」がこの4月から本格的な収益化に着手する。radiko.jpはこれまでパソコン向けに約290万個、スマートフォン向けに約390万個の専用ソフトウエアを配布しているが、聴取画面に新たに広告枠を設置し、収益源に育てていく考えだ。

radiko.jpには現在、民放ラジオ局全100局のうち54局が加盟しており、聴取エリアは28都道府県に広がっている。ラジオ業界はテレビや新聞、雑誌と比べると落ち幅は急激ではないものの、じりじりと広告収益を減らし続けてきた。
6万件超の“つぶやき”を武器に
ラジオ広告市場のピークは1991年の2406億円。それが2010年には1229億円と約20年でほぼ半減した。2010年9月にはFM局運営会社の愛知国際放送が県域民放としてテレビ・ラジオ業界初となる免許返上、閉局するなど、業界の取り巻く環境は依然として厳しい。それだけにradiko.jpの収益化には業界全体の期待が集まっている。
ラジオ広告は番組と番組の間に流す音声CMが通常。画面上に表示する広告をいったい誰が見るのか。「ラジオは視覚が不要のメディア。だからこそSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)との連携で聴取者の視覚を奪う」。こう戦略を語るのはradiko.jpを運営するradikoの青木貴博・業務推進室長だ。
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