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 中国の白物家電大手、海爾集団(ハイアール)は今年1月、パナソニックから三洋電機の冷蔵庫と洗濯機の国内事業を買収、アジア事業についても3月までに買収を済ませる。

 2011年のハイアールの冷蔵庫と洗濯機の世界市場シェアはそれぞれ13.7%と10.9%とトップ。同社は1984年の設立以来、増収を続け2011年の売上高は1509億元(約1兆9500億円)に達している。さらに2012年も10%増を見込む。海外進出も積極化しており、現在は165カ国で製品を販売している。

 日本では2002年、ハイアールジャパンセールスを設立して同社製品の輸入販売を始めた。しかし、日本での市場シェアはまだ3%にも満たない。

 グローバル市場での白物家電事業を統括する梁海山・中国ハイアール執行副総裁に今後の戦略を聞いた。(聞き手は宇賀神宰司)

── 日本での市場拡大の戦略は。

梁海山(りょう・かいざん)
1966年10月、中国山東省生まれ。2007年から中国ハイアールの執行副総裁。グローバルの白物家電事業を統括する(写真:北山宏一)

:ハイアールは日本市場に進出して10年になる。低価格品を中心としてハイアール製品を中国で開発して販売し、徐々に販売台数を増やしてきたが、まだ年間売上高100億円にとどまっている。三洋の事業を買収して、最新技術と3100人の人材、販売網が確保できた。

 ただし、パナソニックとの契約で日本国内では「三洋」のブランドは使わないことが条件になっている。そこで、三洋電機の洗濯機のブランドである「アクア」を使って洗濯機だけではなく冷蔵庫も販売する。

 中国で開発するハイアール製品は今まで通り、ハイアールジャパンセールスを通じて輸入販売する一方で、三洋電機の資産を受け継ぎ日本で開発してアクアブランドとして販売する。つまり、ハイアール、アクアの2つの製品群を提供する。

 2015年までにハイアール製品が300億円、アクア製品が500億円、合計で売上高800億円を目指す。日本での市場シェア15%以上を確保したい。

ハイアールが今年1月から日本で販売するアクアブランドの洗濯機と冷蔵庫(写真:北山宏一)

日本の家電メーカーとさらなる提携も

── 2002年2月、ハイアールは三洋電機と提携し、三洋ハイアールを設立した。三洋創業家の井植敏彰氏が社長に就任、ハイアールジャパンとは別に独自開発した製品をハイアール製品として家電量販店向けに販売した。しかし、製品の特徴を打ち出せず、結局2007年3月、三洋ハイアールは解散した。今回、再挑戦することになるが、なぜそこまで日本市場にこだわるのか。

:ハイアールのグローバル戦略は常に、攻略が難しい市場から攻略して、後に易しい市場に進出する。今までも海外はまず北米、そして欧州に進出してブランド力と技術力を高めてきた。日本は競合がひしめき、消費者の要求も高い難しい市場だが、ここで成功すれば東南アジアでの展開も楽になる。事業買収を機に、中国本国を除くアジア戦略の拠点を日本に置いたのもそうした考えからだ。

 新たな市場を攻める時は、その市場において商売上手な相手と組むのが鉄則だ。三洋電機に限らずチャンスがあれば今後、日本メーカーとの提携を考えていく。

(この記事は、有料会員向けサービス「日経ビジネスDigital」で先行公開していた記事を再掲載したものです)

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