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米朝合意は、米大統領選と金日成生誕100周年の産物

米韓の離間を図る北朝鮮のしたたかさ

2012年3月7日(水)

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 米国が2月29日、北朝鮮と以下の合意に達したと発表した。1)北朝鮮は長距離弾道ミサイルと核兵器の実験を凍結、寧辺の核施設におけるウラン濃縮を一時停止。2)北朝鮮は、寧辺の核施設に対する国際原子力機関(IAEA)の査察を受け入れ。3)米国は24万トンの栄養補助食品及び追加的食糧支援を努力。

 2008年12月以来開かれていない6カ国協議の再開を阻む障害が1つ解決した、との見方が出ている。果たして、米朝合意の意義はどこにあるのか? 朝鮮半島問題の専門家、重村智計・早稲田大学教授に聞いた。(聞き手は森 永輔)

―― 今回の米朝合意をどう評価するか? 6カ国協議の再開に向けて1歩前進した、との意見が多い。

重村:予想通りの結果と言える。1歩前進とは言えないだろう。半歩といったところだろうか。

 今回の合意は、大統領選挙を秋に控えたオバマ米大統領と、金日成生誕100周年記念を目前にした金正恩政権の利害が一致したことで生じた出来事だ。合意内容を実行するだけでも長い時間がかかる。長期で見れば、大きな変化はなく、現状維持が続くだろう。

―― オバマ大統領と金正恩・党中央軍事委副委員長はそれぞれどのようなメリットを得ようとしているのか?

 オバマ大統領には2つのメリットがある。1つは米大統領選に関わるもの。北朝鮮の核問題は膠着状態が続いており、オバマ政権は成果を上げられていない。大統領選挙の過程で、共和党候補からこの点を突かれる可能性がある。今回の合意によって、その批判をかわすことができる。

 もう1つは、濃縮ウランの拡散を防げることだ。北朝鮮は「実りある交渉が続いているうちは、ウランの濃縮を臨時停止する」と言っている。少なくとも「実りある交渉」中は、イランやシリアに濃縮ウランが渡る可能性を減らすことができる。

 一方、北朝鮮は4月に故金日成主席の生誕100周年を迎える。金正恩氏としては、この時に国民に食糧を供給し、自らの力をアピールしたいところだ。

―― 北朝鮮の食糧事情は、最近、さらに悪化しているのか?

重村:いや、恒常的に不足している。北朝鮮は寒冷な気候である上、山間地が多い。もともと食糧の自給が難しい場所だ。穀物換算で年間600万トンの食糧が必要だが、生産能力は350万~400万トンしかない。ソ連や中国からの援助で不足を補ってきたが、冷戦が終了し援助が途切れたため、食糧が逼迫するようになった。

 人災の面もある。故金正日総書記が軍事優先政策を取り、人も資金も軍事につぎ込んだ。この結果、農村には専門家もいないし、肥料もない。

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「米朝合意は、米大統領選と金日成生誕100周年の産物」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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手嶋 龍一 作家・ジャーナリスト