印刷ページ

社債市場が徐々に持ち直しの兆しを見せている。低利調達の好機と見て、起債に踏み切る企業が目立つ。ただ一方で、エルピーダ破綻による影響も懸念され始めた。

 「金利も有利で、社債を発行するにはいいタイミングと判断した」。最大2000億円の普通社債を3月に発行すると発表した武田薬品工業の高原宏経理部長は、そう説明する。

 同社が普通社債を発行するのは実に37年ぶり。発行額は1500億〜2000億円を予定し、期間は4、5、6年の3本立てになる見通しだ。スイスの製薬大手ナイコメッドを昨年、約1兆1000億円で買収した際に借り入れたブリッジローン(つなぎ融資)の借り換えに充てる。資金需要が多い外貨建てでの調達も検討したようだが、国内普通社債の金利の低さが決め手となった。

 武田という銘柄の希少価値も後押しし、機関投資家の需要が集まりそうだという見方が市場には多い。

 債券市場では東日本大震災以降、原子力発電所を持つ電力会社9社の社債(電力債)発行が長らくストップしていた関係で、銀行など機関投資家が余剰資金を抱え込んでいた。欧州債務問題で先行き不透明感が強かったことも、投資家の慎重姿勢を招いていた。

 しかし1月後半以降は金融市場が落ち着きを見せ始め、社債市場にも持ち直しの兆しが出てきた。東北電力は電力9社の中では震災後初めて、計600億円の起債を決定。電力債に対する投資家の需要は強く、当初予定を350億円上回る発行額になった。

 初めて普通社債を発行した伊藤園や13年ぶり2度目の発行となったテルモのような会社もある。「金利、需給などの調達環境がよかった。引き合いは強く、市場で順調に消化できた」(伊藤園)。個人向け社債でもオリックスが計450億円を起債した。

 回復歩調を強めてきた社債市場だが、足元では懸念材料も出ている。2月末に会社更生法の適用を申請したエルピーダメモリだ。


関連記事

コメント

参考度
お薦め度
投票結果

コメントを書く

コメント[0件]

記事を探す

読みましたか〜読者注目の記事