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帝人、東レ、イビデン、住友化学──。素材メーカーが韓国シフトを強めている。引っ提げてゆくのはリチウムイオン電池や炭素繊維など日本のお家芸だ。「六重苦」の対策だけではない。企業の背中を押すのは顧客、市場の存在だ。

 帝人はリチウムイオン電池の主要部材であるセパレーター(絶縁材)市場に参入する。他社よりも耐熱性が高く、長寿命の製品の開発に成功。EV(電気自動車)やスマートフォン、タブレット端末用などで電池メーカーに採用を働きかける。ただ、量産の地に選んだのは日本ではない。韓国だ。

 韓国のフィルム加工会社、CNFと合弁で生産会社を設立。数十億円を投じ、韓国中部の忠清南道・牙山市にある工場の建屋内にセパレーターの製造設備を建設している。稼働は6月を予定。既に複数の電池メーカーで採用が決まっており、2020年に年200億円の売り上げを目指す。

進出だけでなく、増産も韓国で

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 ソウル市内には100%出資の販売会社も設立し、既に1月から営業を開始している。韓国だけでなく、中国市場の開拓にも力を入れる。販売会社の代表を務める帝人・新機能材料事業開発部の小山俊也部長は、「リチウムイオン電池の生産拡大は韓国、中国で著しく、需要地に近い所に供給体制を敷くメリットは数多い。日本ではどうしてもコストが高くなる」と説明する。

 下表に主なものをまとめたが、韓国進出が急激に増えている。東レも2013年1月の稼働を目指し、韓国に炭素繊維の工場を建設中だ。それに先立ち開発拠点も韓国に設ける。開発から生産まで一貫した体制を整える。

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 炭素繊維は日本勢が世界シェアの7割を持ち、これまで各社とも国内を中心に生産してきた。だが、東レは既に将来の増産に向け、土地を追加で取得済みだ。炭素繊維や電子材料などの分野で、2013年からの10年間に総額1兆3000億ウォン(約940億円)を投じる計画を打ち出している。

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