• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

アップルの本質は「模倣の達人」

誤解や脅威論を払拭し、新興国企業にも学ぶ姿勢を取り戻せ

2012年3月21日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 激化の一途をたどるグローバル競争で日本企業が劣勢に立たされる中、起死回生の切り札としてイノベーションの重要性が叫ばれるようになって久しい。

 その際にイノベーティブな企業の代表として名前が挙がるのが、米アップルだ。デジタル携帯音楽プレーヤーの「iPod」、スマートフォン(高機能携帯電話)の「iPhone」、タブレット(多機能携帯端末)の「iPad」といったヒット製品を連発。3月7日に発表された新型iPadも注目を集めている。

 このように快進撃を続けるアップルとは裏腹に、“独創”的な製品を出せなくなった日本企業。その不振から抜け出すにはどうすればいいのか。

 「日本企業の多くは独創性を追求しているが、実は独創性について誤解しており、模倣を避けようとしている。この姿勢を改めなければならない」。こう異論を唱えるのは、早稲田大学商学学術院の井上達彦教授だ。

 アップルも模倣が上手だったから現在の姿があると指摘し、模倣こそがイノベーションの創出力を取り戻すカギになると主張する。新著『模倣の経営学 偉大なる会社はマネから生まれる』(日経BP社)を出したばかりの井上教授に真意を聞いた。

(取材構成は、秋山 基=ライター)

―― アップルを引き合いに出して、イノベーション、とりわけオリジナルなビジネスや製品を開発することの重要性がしばしば語られます。こうした論調について、どうお考えですか。

井上:確かによくそういう言い方がされます。しかし、アップルが本当にオリジナリティーだけを追求してきた企業なのかどうか、よく考えてみる必要があります。

 例えば、(パソコンの)マッキントッシュは、グラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)とマウス操作を実現しましたが、GUIやマウス自体は、米ゼロックスのパロアルト研究所で開発されたもので、アップルが創ったわけではありません。それ以外の製品についても言えることですが、アップルは実は模倣がとても上手な企業なのです。

 米オハイオ州立大学のオーデッド・シェンカー教授は、著書『Copycats』において、アップルを「アセンブリー・イミテーションの達人」と評しています。既存の技術を新しいコンビネーションで結びつけるのが上手な企業だという意味です。

 よそで開発された技術を結びつけて、優美なソフトウェアとスタイリッシュなデザインで包み込む。他社の技術やアイデアを持ち込むことを恐れず、ちょっとひねりを加えて自社の魅力的な製品を作り出す。そういった強さを持っているのがアップルです。

 実際、創業者の故スティーブ・ジョブズ氏も、模倣について肯定的でした。「素晴らしいアイデアを盗むことに我々は恥を感じてこなかった」という言葉を残しています。

コメント6件コメント/レビュー

Macの本質はグラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)とマウス操作にあったのではないのですが。最初はコンソールで行う予定で開発が進み、パロアルト研究所の見学でGUIを知ったジョブズが方針を変えて取り入れたのです。ジョブズの優れたところは何が世間に受け入れられるのに重要かを見抜く能力だと思います。模倣と表現されていますが、アップルの場合は良い部品として取り入れたという印象を私は持ちます。GUIについては後で法廷争いになりますけどね。(2012/03/22)

「ニュースを斬る」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

Macの本質はグラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)とマウス操作にあったのではないのですが。最初はコンソールで行う予定で開発が進み、パロアルト研究所の見学でGUIを知ったジョブズが方針を変えて取り入れたのです。ジョブズの優れたところは何が世間に受け入れられるのに重要かを見抜く能力だと思います。模倣と表現されていますが、アップルの場合は良い部品として取り入れたという印象を私は持ちます。GUIについては後で法廷争いになりますけどね。(2012/03/22)

記事を読んで違うと思った。既にコメントにある「ハード技術の運用の開発」。技術がどのように役に立つかに気付き、それらの組み合わせの妙で素晴らしいものを作った。日本でも一時はすり合せの強みとか言われていたが、結局グローバルスタンダードの悪い所ばかり採用してしまった。しかし、同コメントの「ハードしか目に入っていない」人の責任の場合もあるが、大半が違うだろう。モデルチェンジの都合、企画、マーケティングが駄目にしたんだろう。売りを増やす為にカタログでの無節操な機能追加。合成の誤謬。何人もの意見を反映すると実際には誰も望んでいない領域の物になる事もある。ゲームでも車でも記憶にあるのではないか?(2012/03/22)

井上教授のコメントは,模倣というキーワードにこだわりすぎている気がする。日本の本分というのは,模倣そのものというよりその後の応用・進化させる力ではなかったのか。アップルも,オリジナルより進化させて使い勝手をよくしたからこそ,成功したもの。模倣で終わったら良い模倣などない。(2012/03/21)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

変化を受け入れやすい組織体質があればビジネス上の“地殻変動”が起きた際にも、他社に半歩先んじられる。

井上 礼之 ダイキン工業会長