• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

太陽電池で「屋根貸し」開始

2012年3月22日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

7月に始まる電力の固定価格買い取り制度が新事業を生む。欧州では当たり前の屋根貸し事業が、日本でも始まりそうだ。普及を後押しすべく、政府も事業環境の整備に乗り出した。

 「原子力だけに頼らず、環境にも配慮した発電に貢献したいという思いはある。だが、太陽電池を店舗の屋根に載せようにも初期費用が高すぎる」。福島市内に13店舗を展開する食品スーパー、いちい(福島市)の伊藤信弘社長は、こう明かす。

 初期費用は数千万円以上。厳しい経営環境にある流通企業が、やすやすと支払える金額ではない。そこで、いちいが選んだのは、店舗の屋根を第三者に貸し出すことだった。

 貸出先は、環境経営戦略総研(東京都千代田区)が始める新事業。同社は、300社4200店舗のスーパーやパチンコ店の省エネコンサルティングを手がけており、いちいも顧客の一社だ。

 まず環境総研が、屋根を貸してくれる企業を発掘。次に、太陽電池による発電事業を営むSPC(特別目的会社)を設立する。ファンドを形成し、投資家を募る。投資家から集めた資金で太陽電池を設置し、屋根の賃料を支払うとともに、発電した電力を電力会社に売って利益を得る。

 屋根を貸す側には賃料収入のほか、光熱費を削減できる利点がある。太陽電池が屋根を断熱するため、空調などの効率が高まる。環境総研の試算では、折板屋根の平屋建てスーパーで屋根面積が1440平方メートルの場合、屋根に太陽電池を敷き詰めると、電力の基本料金を年間13万4000円削減できるという。

 環境総研は太陽電池の調達や施工、電力会社との諸手続き、運用管理などを請け負う。大規模な太陽光発電所は運用管理が不可欠だが、同社にはノウハウがない。そこで、海外で多数の実績を持つ米サンエジソンと提携する。

 環境総研の村井哲之社長は、「屋根貸しは欧州では当たり前のビジネス。だが、日本には存在しなかった」と説明する。太陽電池で発電した電力は、初期費用などを勘案すれば“高価”なもの。ただ、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)が動き出せば、一定の利回りが見込めるようになる。FITの導入で先行する欧州では、個人が年金代わりに投資するほどだ。ちなみにFITとは、電力会社が太陽電池などで発電した電力を一定期間、一定料金で買い取る制度のことである。

 日本でも7月1日にFITが始まる見通し。環境総研は、食品スーパーのハローズ(広島県福山市)の屋根も借りる計画で、制度開始に間に合わせるべく準備を急ぐ。ファンドの規模は未定だが、大部分を太陽電池の費用が占める。ハローズは店舗などの屋根に1600キロワット分の太陽電池を載せる計画。1キロワット当たり40万円と仮定すると、6億4000万円になる。

コメント0

「時事深層」のバックナンバー

一覧

「太陽電池で「屋根貸し」開始」の著者

山根 小雪

山根 小雪(やまね・さゆき)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション、日経エコロジーを経て、2010年1月から日経ビジネス記者。エネルギーを中心に、自動車や素材など製造業を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

企業や官公庁の幹部のメールボックスの内容が、まるごと数十万〜数百万円で売られている事例もある。

名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官