• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

米国が見た習近平~19発の礼砲はペイしたか?

予期せぬ成果~中国が市場開放で前進

  • 瀬口 清之

バックナンバー

2012年3月22日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 中国の習近平・国家副主席が2月13日から17日まで米国を訪問した。米国はワシントンDCにおいて、例外的とまでは言えないまでも、十分に手厚い歓迎をした。オバマ大統領は同氏との会談に、85分という長時間を割いた。バイデン副大統領は、2度にわたって歓迎の宴を催した。米国防総省は、歓迎式典において19発の礼砲(外交儀礼上、国家元首は21発、副大統領・首相が19発)をもって、高い格式の待遇をした。

 筆者はこの習近平訪米の直後にワシントンDCなどに出張する機会があった。以下で、そこで得た情報を伝えたい。

今後の選挙と人事をにらみ、儀礼的な訪問と位置づける

 今回の習近平副主席の訪米において、米中双方とも、重要な政策課題について実質的な協議を行うことは元々意図していなかった。オバマ大統領、習近平副主席とも、今秋に大統領選挙、共産党総書記への就任を控えているからだ。

 オバマ大統領が再選される可能性が、以前に比べて高まっていると見られている。だが、選挙の勝敗は最後まで分からない。また、習近平副主席が共産党総書記に昇格することが確実視されているが、これも100%保証されているわけではない。どちらも今後の選挙や人事に悪影響を及ぼすような結果を出すわけにはいかなかった。

 大統領選挙あるいは共産党総書記就任に向けた政局において重視されるのは、米中両国ともに内政問題である。外交政策で一定の評価を得ても国内の政治基盤を安定させる効果はあまり期待できない。一方、外交でミスをすれば、対立候補の攻撃の的にされる。政治的なレピュテーションに傷がつき、国内政局に影響する可能性も高い。このため両者とも今回の首脳会談において、重要な政策課題に関して、政治的なリスクをとってまで成果を得ることへの期待は強くなかった。

 オバマ大統領は大統領選挙を意識して、人権問題や人民元レート問題について、中国に対して表面上厳しい姿勢を示すことを目的としていた。これらの政策課題に関して、習近平副主席から実質的な譲歩を引き出すべく、強い外交的圧力をかけることは予定していなかった。一方、習近平副主席も、今はまだ政権を代表して米国との実質的な協議を行う立場にはない。表面的に米国の歓迎を受けることができれば今回の訪米は成功とみなすことができた。

 このように両国とも、今回の習近平副主席の訪米を、「今後の両国の関係改善に向けての地ならし」を目的とする儀礼的な訪問と位置づけていた。したがって、双方とも事前の期待レベルが高くなかった。これが幸いし、所期の目的をかなりの程度達成できたと言える。米国政府関係者も「Greatとまでは言えないがgoodとの評価は可能」と語った。

市場開放に向けて中国が譲歩

 ただし、米国が中国の要求――プロトコール(外交儀礼)面での厚遇――を満足させたところ、米国はサブスタンス(実質的な成果)面においても一定のものを得ることができた。サブスタンスを重視する米国に対して中国が譲歩を示したわけだ。この点も、米国が今回の習近平訪米を評価している要因である。ホワイトハウスは以下を公式に発表している、米国にとっての成果である。

(1) 対人自動車保険市場を外資系保険会社に対して開放
(2) 増値税(付加価値税)減税への試験的取り組み、関税の調整など構造的な減税政策の強化
(3) 外国企業が中国に進出する際に、技術移転や技術協力を進出認可の前提条件としないことを再確認
(4) 人民元レートを市場実勢に合わせてより迅速に調整することを再確認
(5) 中国の輸出企業に対する実質的な補助金となっている輸出企業向けファイナンスを見直すための国際的な協議の場を設ける(2014年までに合意成立を目指す)

コメント0

「ニュースを斬る」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

トランプ政権のここまでの動きはスロー。

ジョセフ・ナイ 米ハーバード大学特別功労教授