「ニュースを斬る」

「創業者の理念実現こそ、イケアの存在理由」

ミケル・オルソン イケアグループCEOが語る(後編)

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2012年3月27日(火)

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 北欧デザインの家具を格安価格で販売し、世界を席巻している家具チェーン世界最大手のイケア。日本では4月11日に、国内6号店となる福岡新宮店を3年半ぶりにオープンするなど、その存在感はますます大きくなっている。

スウェーデンのエルムフルトにあるイケアの1号店(写真:永川 智子、以下同)

 順路に従ってショールームを歩き、来店客自らが倉庫に行って梱包された商品を取り出す売り場など、店舗からもそのユニークさの一端は垣間見える。だが、これまであまり明かされることのなかったその経営は、店舗以上にユニークなものだった。

 イケアは今や、全世界で13万1000人の従業員を抱える巨大企業である。しかし、その内実は長らくベールに包まれてきた。

 非上場企業で、スウェーデン発祥ながらイケアグループの持ち株会社はオランダにあり、その持ち株会社は創業者イングヴァル・カンプラード氏をはじめとする創業家が強い影響力を持つ財団に所有されている。さらに、そのイケアグループとは別に、イケアの商品コンセプトなど知的財産を所有する別組織、“もう1つのイケア”であるインター・イケア・グループが存在し、そのグループはタックスヘイブン(租税回避地)として知られるリヒテンシュタインにある創業家が支配する財団の傘下にある。その全容は、ごく最近まで明らかになっていなかった。

 イケアグループのミケル・オルソンCEO(最高経営責任者)へのインタビュー後編では社員と組織の隅々にまで浸透する経営理念と、それを支える企業統治の構造に迫る。(聞き手はロンドン支局 大竹剛)

(※日経ビジネス3月26日号の特集「イケアの秘密 揺るぎない究極の理念経営」もお読みください)

―― イケアでは、創業者から引き継がれてきた理念は、企業の成長にどのような役割を果たしているのでしょうか。

イケアグループのミケル・オルソンCEO。全世界で13万人の従業員を抱えるグローバル企業のトップという威圧感はまったくない、「イケアらしい」人物だ

オルソン:すべての出発点は、創業者が掲げた理念「より快適な毎日を、より多くの方々に」にあります。私が33年間もイケアで働き続けているのは理念に魅了されているからですし、イケアで長年働いている多くの人たちが同じ気持ちです。もちろん、私たちは家具やインテリア用品を売るわけですが、それは社会の一員として理念を実現するための、私たちなりの貢献の仕方です。

 そして私たちにとって次に大切なことが、事業のアイデアです。それは、優れた品質と機能、デザイン、サステナビリティー、そして低価格。多くの場合、これらすべてを同時に実現することは難しいと思われるでしょう。しかし、私たちはそれが可能だと証明したい。普通の所得水準の人々に、美しくて、機能的で、そして安い家具を届けたいのです。


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