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旭化成、巨額買収3つの疑問

2012年3月29日(木)

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1800億円を投じ、米医療機器メーカーを買収する旭化成。買収価格は割高との懸念がぬぐえず、株価はさえない。相乗効果への明確な説明が必要だ。

 旭化成は12日、米医療機器大手のゾール・メディカルを買収すると発表した。米子会社を通じたTOB(株式公開買い付け)で普通株式の100%を取得、買収総額は22億1000万ドル(約1840億円)に上る。旭化成にとって過去最大の買収案件だ。石油化学、住宅に続く柱としてヘルスケア事業を育成する考えだが、発表翌日に株価は急落。市場は巨額買収が成果を上げるかに疑問を呈した格好だ。

 「プレミアム(株価の時価に対する上乗せ価格)の妥当性をどう見るかだが…。救急救命分野は米国で年7%の割合で伸びている」。旭化成の藤原健嗣社長は買収を発表した会見の席で、医療関連分野の有望性を繰り返し訴えた。

 それもそのはず。TOB価格は1株当たり93ドルで、9日のナスダック市場での終値(75.10ドル)より24%高い。プレミアムは400億円に上る計算だ。ゾールの2011年の売上高は5億2370万ドル(約440億円)で、営業利益は4820万ドル(約40億円)。買収額は営業利益の40倍を超える。

 買収を発表した翌13日、旭化成の株価は終値ベースで5%下落。500円の大台を割り込み、490円で引けた。16日時点でも12日終値を3.1%下回り、1万円を回復した日経平均株価(2.4%のプラス)とパフォーマンスの差は明らかだ。市場は何を懸念しているのか。

「価格」「技術」「地域」に疑問

 これまで触れてきたように、過度に割高ではないのか、というのが1つのポイントだ。6000億円を超す自己資本を持つ旭化成にとって、ゾールの買収で屋台骨が揺らぐことはない。実際、ムーディーズ・ジャパンや格付投資情報センター(R&I)などの格付け会社は格付けを据え置いている。

 ただ、評価額はまだ確定していないが、旭化成が計上するのれん代は最大で1500億円規模に上る。20年で償却するので、年間では75億円の負担になり得る。旭化成は買収費用の全額を借り入れで賄うとしており、金利も年20億円ほど発生する可能性が高い。

 ゾールが前期に上げた40億円の営業利益を大幅に伸ばせない限り、長期にわたり旭化成の業績の重荷になりかねない。旭化成は「ゾールは過去10年、平均で16%の増収を実現してきた。今後も同程度の成長トレンドを維持できる」と主張。決算へのマイナス影響は数年にとどまるとの見方を示す。

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「旭化成、巨額買収3つの疑問」の著者

張 勇祥

張 勇祥(ちょう・ゆうしょう)

日経ビジネス記者

2012年から日経ビジネスの記者。転々と部署を異動してきた器用貧乏。それでも、何とか中国経済はモノにしたいと願う中年記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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