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台湾ホンハイが筆頭株主に、シャープ100年目の遅すぎた決断

液晶パネル生産子会社の株式を譲渡、堺工場の稼働率引き上げに

  • 小板橋 太郎,戸川 尚樹

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2012年3月28日(水)

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 シャープは27日、台湾のEMS(電子機器の受託製造サービス)最大手である鴻海(ホンハイ)グループと業務・資本提携することで合意したと発表した。ホンハイグループを引受先とした約669億円の第三者割当増資を近く実施する。同グループの出資比率は約10%となり、日本生命(4.52%)を上回る事実上の筆頭株主になる。

 さらに、大阪府堺市にある液晶パネル工場を運営する「シャープディスプレイプロダクト(SDP)」の株式46.48%を鴻海精密工業の郭台銘董事長に660億円で譲渡。シャープは液晶テレビ事業で苦戦しており、2012年3月期に過去最大となる2900億円の連結純損失に転落する見通し。今年創業100周年を迎えるシャープは外資との資本提携という最大の転機を迎える。

 「エレクトロニクス事業においては、垂直統合モデルは既に限界を迎えており、協業を進めることが重要。今回の提携は、シャープの設計・開発力とホンハイの生産技術力・コスト競争力を融合した『グローバル戦略垂直統合モデル』だ」。4月に社長に就任する奥田隆司常務執行役員は同日の記者会見でこう胸を張った。

台湾・鴻海精密工業との資本業務提携を発表するシャープの奥田隆司次期社長

 だが、「AQUOS(アクオス)」で世界の市場を切り開いた、日本の薄型テレビの筆頭メーカーであるシャープに10%もの外資企業の資本が入るショックは大きい。稼働率の低下が危ぶまれていた堺工場への出資だけならまだしも、シャープ本体への出資まで受け入れざるをえない背景には何があったのか。

 ホンハイが日本企業の液晶パネル生産拠点に目をつけたのは今回が初めてではない。関係者によると2011年春、日立製作所は液晶パネル事業からの撤退を内部で決め、売却の交渉に入っていた。このときの交渉相手がホンハイだ。

最後まで強気だったシャープ

 ホンハイは液晶テレビからゲーム機まで全世界の企業からの受託生産を手がける最大手。液晶パネル製造の物量作戦で韓国サムスン電子などとの競争に勝つため大規模な生産拠点を欲していた。この交渉は成果を見ず、日立は昨年8月、東芝やソニーとともに産業革新機構(INCJ)が中心になって設立する新会社「ジャパンディスプレイ」に事業を分離することを決めた。

 これと前後してホンハイが切り替えた交渉相手先がシャープ。日立や東芝が実質上の液晶パネル事業からの撤退を決めたこの時点で、シャープはまだ強気だった。

 片山幹雄社長は昨年10月の日経ビジネスのインタビューで「60型以上の大型テレビ用液晶の生産を増やす。堺工場の稼働率は年末までに7~8割まで上げたい」と語っていた。

 価格下落の激しい60型未満での乱売競争を回避すれば利益は確保できると読んでいたのだ。国内の液晶パネルメーカーが次々と脱落する中で、残存者利益を確保できるとの狙いもあったかもしれない。

 こうした強気の姿勢が影響してかホンハイとの交渉は進まず、シャープは「12月ショック」を迎える。シャープが頼みとしていた米国市場を中心に販売が予想を下回り、2012年 1~3月期のアクオスの販売が前年比3割も下回ることが明らかになったからだ。

 その後、2012年2月にシャープは2900億円の最終赤字となる12年3月期業績予想を発表、3月には社長交代というバッドニュースが雪崩れ打つことになる。堺工場の稼働率は5割を上回らず、減損リスクがささやかれるようになった。

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